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義足から考える「真のウェアラブル」

義足技術は健常者にも「動く喜び」を与える

2014年8月21日(木)

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 僕は、義足の研究開発で得られる技術を、足がない人のためにとどまらず、すべての人の身体能力にかかわる技術に昇華したいと思っています。

 5月に元オリンピック陸上競技選手の為末大とデザイナーの杉原行里と設立したXiborg(サイボーグ、東京都渋谷区)のメッセージは「すべての人に動く喜びを」です。

 サイボーグが取り組む第1段階の製品は「競技用義足」ですが、この会社は競技用義足の開発のためにつくったわけではありません。僕が研究を続けている「ロボット義足」や「途上国向け義足」についても、商品化の段階で、この会社を経由する可能性もあります。

 さらには、将来的にはロボット義足の技術を生かした別の分野でのビジネスにつなげることを検討していきます。

 ロボット義足の研究の先にどんな未来が見えているのか。

 1つは福祉やリハビリ分野での応用です。

 「ロコモティブシンドローム」という言葉があります。運動器官の病気などにより痛みや機能低下が起き、要介護になるリスクが高い状況に陥ることです。筋力が低下したり、関節の可動範囲が狭くなったり、バランス能力が衰えることで次第に歩行が困難になっていきます。進行すると自立した生活を送ること自体が難しくなり、介護が必要になってしまうのです。

 ロコモティブシンドロームを予防するには、歩行が困難になってきた時にも何とか歩行を続けて健康な身体を保つことが重要。そのためにロボット義足で研究している技術を応用できると考えています。

 この分野では先行している企業があります。身体機能を改善・補助・拡張することができるサイボーグ型ロボット「HAL(Hybrid Assistive Limb)」を開発するサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)です。今年3月に東京証券取引所マザーズに株式上場して話題にもなりました。

 HALは人間が体を動かす際に脳から筋肉に対して出る微弱な電気信号を皮膚表面につけたセンサーで感知し、患者が意図した筋肉の動きを補助するロボット。僕が研究するロボット義足は足の付いた位置や足首の角度などの情報を読み取って歩行を再現するものなので、HALとは異なるアプローチでロコモティブシンドロームの予防に役立つ製品を実現できるのではないかと思っています。

「義足というウェアラブル」のバックナンバー

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「義足から考える「真のウェアラブル」」の著者

遠藤 謙

遠藤 謙(えんどう・けん)

ソニーCSL研究員

MITメディアラボにて博士取得。現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員。ロボット技術を用いた身体能力の拡張に関する研究や途上国向けの義肢開発に携わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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