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人口が変えるこれからの地域

改めて考える人口問題(7)

2014年8月20日(水)

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 「人口減少で多くの自治体が消滅の危機に」。このショッキングなリポートをきっかけに、人口減少の中で地域の未来をどう考えたらいいのかについての議論が盛んになっている。多くの論点があってとても全てをカバーすることはできないが、私なりの考えを述べてみよう。

自治体消滅論ショック

 このところ大きな話題になっている「自治体消滅論」は、増田寛也氏を中心とする研究会が行った地域別の人口推計が基になっている。私がこの議論のインパクトの大きさを強く感じたのは、BSフジ・プライムニュースの「人口減少と自治体崩壊」という番組に出演した時である(2013年12月20日、なおこの番組の内容はテキストで見ることができる)。この番組では、当の増田氏と、増田氏の研究会のメンバーでもある経済学者の樋口美雄氏と私が人口減少問題について議論している。

 増田氏のグループの議論は、私が知る限りでは、中央公論「壊死する地方都市」特集の中で発表された「2040年、地方消滅。『極点社会』が到来する」(増田寛也+人口減少問題研究会、2013年12月号)という論文が最初である。同じ特集に、私も「公共投資回帰では何も解決しない」という論文を発表していたこともあって、当時この論文を読んだのだが、その時はこれほどのインパクトがあるとは思わなかった。

 出演を依頼に来たフジテレビの担当者は、かなり興奮気味で、「地方都市の衰退について、こういう試算を行ったのは日本で初めてですよね」と私に問いかけてきた。私は「こうなることは、これまでもある程度示されていたことであり、それほど驚くことでも、日本で初めてというほどでもないと思いますが」と答えた覚えがある。

 その後、この推計と「消滅する自治体」という議論は、私の想像をはるかに超えた反響を呼び、大きな話題になった。さらに、この論文の続編「ストップ『人口急減社会』」(増田寛也+日本創成会議・人口減少問題検討分科会、中央公論、2014年6月号)が発表され、この中で、523の消滅可能性自治体の実名を出したことで、反響はさらに広がった。今や、消滅の可能性ありと名指しされた地域では、相次いで対策会議や研究会が組織される騒ぎとなっているようだ。

 なお、今回の議論の発端となった日本創成会議の「人口減少問題検討分科会 提言 ストップ少子化・地方元気戦略」は全文がネット上で公開されている

コメント10件コメント/レビュー

>経済や社会福祉だけでなく、軍事面、外交面でもデリケートな要素をはらみうるのである。>そもそも治山治水には人手が要るのである。もっともな意見だと思います。一方で、人口減少と過疎化は既に確定事項で、周辺の荒廃と脆弱化は不可避と考えています。戦争に例えると、現在の戦線維持はもう不可能で、後はどこまで戦線を縮小して均衡させるかを議論すべき、という状態かと。まあ、歴史の流れなので仕方がないですね。(2014/08/21)

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「人口が変えるこれからの地域」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>経済や社会福祉だけでなく、軍事面、外交面でもデリケートな要素をはらみうるのである。>そもそも治山治水には人手が要るのである。もっともな意見だと思います。一方で、人口減少と過疎化は既に確定事項で、周辺の荒廃と脆弱化は不可避と考えています。戦争に例えると、現在の戦線維持はもう不可能で、後はどこまで戦線を縮小して均衡させるかを議論すべき、という状態かと。まあ、歴史の流れなので仕方がないですね。(2014/08/21)

出産年齢の女性人口に関心が集まっていますが、より深刻なのは労働力人口の減少です。実数とともに全人口に対する割合も減少しますから、生産から流通、福祉、行政サービス等、各般にわたり効率化が図られなけれは、地域社会が維持できないはずです。 確かに、対策として地域の機能を集約化するコンパクトシティがありますが、交通網整備や移住等を含むコンパクト化による新たなコスト負担や、地域産業の高付加価値化等、並行して進めるべき地域対策のアイデアが未だ見えないので、新たな箱モノ整備のための戦略で終わり、地域の衰退を加速化しかねないのではと心配します。(2014/08/21)

 人口減少社会を上手に収束させるため、一つは人口減少を緩和し留めることと、当面は否応なく人口減少するので、消滅自治体も多々生じ得ると認識した上で、現実的対応も必要です。国連の発表で、人類の3分の2は2050年には、都市部に住んでいるだろうと示されていました。コンパクト・シティ案がありますが、それと関連して国交省の提起した生活拠点構想や、地域包括ケアシステムも有効でしょう。社会保障費の抑制に効果的と聞きます。強引かも知れませんが、他に現代の移封策も考えられます。消滅自治体の地域は、一部は自然に返し、緑化環境を育て、或いは広域農地として企業農業に認可しては如何でしょうか。(2014/08/21)

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三品 和広 神戸大学教授