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定義上、景気後退局面入りする日本経済

経済構造の変化にそぐわない景気転換点の判定

2014年8月20日(水)

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 景気の現状を示す代表的な指標とされる鉱工業生産が今年2月以降、低下基調にあることや、景気動向指数の一致DIが2014年4月以降2カ月連続で50%を下回っていることなどから、景気後退時期に関する議論が盛り上がりつつある。こうした中、日本経済研究センターが7月29日~8月5日に実施した調査によれば、次の景気転換点(山)を既に過ぎたと答えた民間エコノミストは41人中3人しかおらず、うち2人は転換点を2014年1月、1人は同3月としている。

2014年1月が景気の山の可能性

 一般的に、景気がピークアウトしたことを簡易的に判断するには、景気動向指数の一致DIが3カ月連続で50%を下回ったか、鉱工業生産がピークアウトしたか、等を基準とする。となると、足元の一致指数は2カ月連続で50%を下回っているため、景気の山の時期を2014年3月と回答しているエコノミストは、この手法で景気の山と判断しているものと思われる。 事実、7月30日に発表された6月の鉱工業生産は2014年以降のボトムを更新し、直近ピークの1月から5カ月経過していることからすれば、鉱工業生産のピークアウトは確実な状況である。ただ、そもそもこうした判断はあくまで目安に過ぎず、鉱工業生産や景気動向指数の動向を見ているだけでは景気の正確な転換点は決められない。

鉱工業生産と一致CIの推移
(出所)内閣府、経済産業省
一致DIの推移
(出所)内閣府

 正確な景気の山谷は、政府の景気基準日付検討委員会によって、ヒストリカルDI(以下、HDI)を計算して決められる。HDIはDIの一致指数として採用されている11系列の山谷を決定し、景気拡張期は「+」、後退期は「-」に変換して新たにDIを作り直すことにより求められる。そして、HDIが50%を切る直前の月が景気の転換点となる。

 なお、各指標の山谷は、全米経済研究所(NBER)が開発したブライ・ボッシャン法という手法を用いて設定される。この手法では、3種類の移動平均をかけたデータについて検討を行ない、(1)山はその後のデータの値より高いこと(谷はその逆)、(2)山や谷が系列の終了時点から6カ月以上離れていること、(3)山と山、谷と谷が5カ月以上離れていること、(4)山と谷が5カ月以上離れていること――等の条件を考慮して山谷が確定される。このため、実際の景気の山・谷は発生してからかなりの期間を置いて十分なデータが得られたところで決定されるのである。

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「定義上、景気後退局面入りする日本経済」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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