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「“日中外相会談”など行われていない」

2014年8月28日(木)

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 前回は、ASEAN地域フォーラム真っ最中のミャンマーを訪れた時の見聞録をお届けした。南シナ海を巡る中国とASEAN諸国の攻防やジョン・ケリー米国務長官と王毅中国外相の会談模様などに触れたが、東アジアの未来にとって極めて重要なある一つの案件についてはあえて触れなかった。今回はそこを中心に考えてみたい。

 日中関係である。

 8月9日夜、ASEAN地域フォーラムに出席するためにミャンマーを訪問した日本の岸田文雄外相と中国の王毅外相が首都ネピドーの一角で会い、日中関係の現状と展望について話し合った。日中外相が面と向かって話し合いをするのは第2次安倍政権が成立してから初めてのことであり、国際社会からも注目を集めた。

 筆者はこの日、ミャンマーに滞在。その後、バンコクと香港を訪れた。これらの地の英字新聞や中国語新聞は日中外相が約2年ぶりに会い、話し合いの機会を持ったことを大々的に取り上げていた。「日本と中国というこの地域の両雄が喧嘩をしている状況を注視しないことはあり得ない」(香港の金融アナリスト)。

 岸田文雄外相は王外相との話し合いを終えた後、記者団に対して簡単なブリーフィングのみを行った。「関係改善をいかに進めるかについて、ゆっくりと長時間話をした。意見を率直に述べあった」。内容を公開しないという中国側の求めに応じてのことだ。

中国の理解は「非公式な接触」

 筆者が「日中外相が面と向かって話し合いをする」(以下「面会」)というくどい表現を使ったのには理由がある。今回の面会を巡る日中両国社会・世論の認識ギャップを浮き彫りにするためだ。

 日本メディアは今回の「面会」を大きく取り上げ、かつ比較的高い評価を下した。例えば8月11日付の読売新聞は「日中、2年ぶり外相会談…関係改善へ一歩」というタイトルでこれを報じた。

 日本メディアが「面会」を大きく取り上げた背景には、日中関係の改善を待望する民間の声が広範に存在していることがある。日中両首脳が会わない、話をしないという異常な状況が続いていることを懸念する世論が台頭してきたことは前向きに捉えるべきだと筆者は思う。今年上半期、日本の対中投資が前年同期から48.8%減少したこともあり、日中政治関係の改善を求める経済界の声は一層高まるであろう。

 一方、中国メディアは「面会」を報じはしたものの、その表現と解釈は日本メディアと相当異なるものだった。「中日外相による非公式な接触」という文言を終始使用。王毅外相の「会う・会わないは形式でしかない。肝心なのは、中国との関係を改善しようという意欲が日本側にあるかどうかだ」という「面会」後のコメントを広範に引用した。報道のトーンは統一されていた。日中関係の改善は日本次第、という中国共産党指導部の立場を反映している。

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「「“日中外相会談”など行われていない」」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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