• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米政府はなぜ頑強に身代金支払いを拒否するのか

ジェファーソン以来の姿勢をオバマも受け継いでいる

2014年9月1日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」(ISIS)が、米フリーランス・ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏(40)の首を切り落とす残虐な映像をインターネットで流した。米ジャーナリストがイスラム教過激派分子に処刑され、その映像が流されるのは2002年1月、米ウォールストリート・ジャーナルの記者が処刑されて以来12年ぶりのことだ。米国民はこれに激しいショックを受けている。米オバマ政権は「これは露骨なテロ行為だ」と非難、ISIS支配地域への爆撃を続けている。

 ISISはフォーリー氏を処刑する前、同氏を釈放する条件として、1)ISIS支配地域への空爆の即時停止と2)身代金1億ユーロ(約1億3200ドル)を米国政府に対して要求していた。米政府はこれを断固拒否。バラク・オバマ米大統領は7月上旬、米特殊部隊を出動させてフォーリー氏の救出を企てたが失敗に終わっていた。ISISは、拘束中の米人ジャーナリストを今後も処刑し続けると脅している。

イスラム過激派が欧州諸国から得た身代金は総額1億2500万ドル

 身代金の支払いを拒否する米政府の姿勢が頑ななのに対して、欧州諸国は英国を除き、極めて柔軟だ。身代金を支払った事実を表向きは否定、あるいは明確にしていないが、多くのケースで政府が身代金を払っている。

 フランス政府は今年4月、イスラム教過激派に人質になっていたフランス人民間人4人を釈放してもらうために身代金を支払った。わざわざジャン=イヴ・ル・ドリアン国防相が指定されたトルコのアンカラまで身代金を携行している。フランソワ・オランド仏大統領はこれを否定しているが…。またスペイン政府も身代金を支払ってスペイン国籍の民間人2人を救出している。同国外務省のスポークスマンは、これについて肯定も否定もしていない。
("Should America pay Isis ransom money to hostages like James Foley," Kim Sengupta, The Independent, 8/25/2014)

 欧州諸国はこれまでISISに支払った身代金の額を明らかにしていない。しかし2008年以降、アルカイダなどイスラム過激派組織に欧州諸国が支払った身代金の総額は1億2500万ドルにも上るとされる。米軍情報機関は、これが過激派組織の重要な軍資金になっているのは間違いない、と見ている。
("Paying Ransoms, Europe Bankrolls Qaeda Terror," Rukmini Callimachi, New York Times, 7/29/2014) ("James Foley: Attempt to Rescue James Foley Held by ISIS Failed, US Official Says." CNN Wire and Courty Friel, KALA 5, 8/20/2014)

コメント0

「アメリカ現代政治研究所」のバックナンバー

一覧

「米政府はなぜ頑強に身代金支払いを拒否するのか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長