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陸・海・空・宇宙に続くサイバー空間を日本は守れるのか

第3回 谷脇康彦・内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)副センター長に聞く

2014年9月2日(火)

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 サイバー分野の第一線の論客をゲストに招き、我が国を取り巻くサイバー空間の現状と今後の対策について論じる本コラムの第3回目をお届けします。本稿では、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)で副センター長を務める谷脇康彦内閣審議官に、日本国政府が考えるサイバー対策や今後の方向性について話を聞きました。

(聞き手はサイバーセキュリティ集団「スプラウト」代表・加藤康之)

谷脇康彦(たにわき・やすひこ) 内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)副センター長 内閣官房内閣審議官
1984年、郵政省(現総務省)入省。電気通信局事業政策課課長補佐、郵政大臣秘書官、電気通信局事業政策課調査官、在米日本大使館ICT政策担当参事官(在ワシントンDC)、総合通信基盤局料金サービス課長、同事業政策課長、情報通信国際戦略局情報通信政策課長、官房企画課長、大臣官房審議官などを経て、2013年6月より現職。著書に『ミッシングリンク~デジタル大国ニッポン再生』(東洋経済新報社)、『世界一不思議な日本のケータイ』(インプレスR&D)、『インターネットは誰のものか』(日経BP社)、『融合するネットワーク』(かんき出版)などがある。慶応義塾大学大学院メディアデザイン学科特別招聘教授(非常勤)、放送大学協力講師なども務める。

加藤:谷脇さんと言えば、総務省で情報通信分野を長く担当されてきた、この世界のエキスパートです。現在はサイバーリスクから国民生活や経済活動を守るため、2005年に設置された内閣官房情報セキュリティセンター(NISC=National Information Security Center)で副センター長をされています。まさに国家のサイバーセキュリティーの最先端にいらっしゃるわけですが、日本を取り巻く状況は今どのようになっているのでしょうか。

谷脇:まず、日本政府としてのIT戦略は2001年の「e-Japan戦略」から始まりました。この戦略では国家戦略としてIT基盤をしっかり整備し、ICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)の利活用を通じて、社会経済システムの活性化に繋げていこうという狙いがありました。当時はブロードバンドインフラの黎明期で、光ファイバー網や移動通信網の整備が急ピッチで進められました。その結果、固定通信網であれ移動通信網であれ、インターネットの接続環境は今や世界トップクラスになりました。

 その一方で、日本は先進国の中でICTの利活用が遅れていると言われています。ブロードバンドインフラが普及したにもかかわらず、電子行政や医療、教育といった公共的な分野において情報化があまり進んでいないんですね。では、なぜICTの導入が遅れているかというと、1つはIT投資に関するコストとベネフィットの関係が見えにくいという理由があるでしょう。しかし、この点は機器類の高機能化と低価格化やクラウドサービスの普及によって、ベネフィットがコストを大きく上回ることが広く認識されるようになってきました。もう1つはセキュリティーに対する懸念がICTの利活用を妨げている面があります。つまり、「ICTの利活用の推進」と「セキュリティ対策の強化」はコインの表と裏の関係と言えるのです。

加藤:昨年6月に今の新しいIT戦略ができました。その中には、ICTの利活用やデータの活用を経済成長に結び付けていこうという方針が盛り込まれています。そうなると当然、コインの反対側であるセキュリティー政策にも注目が集まってきます。

谷脇:はい。そのため、新しいIT戦略が決定されたのと相前後して、政府として「サイバーセキュリティ戦略」を策定し、政府機関はもとより重要インフラ事業者、一般企業や国民利用者の防護体制の強化、人材育成や研究開発力の強化、国際連携の推進という3つの観点から具体的な政策を進めています。ご存知の通りサイバーリスクは、昨今非常に深刻なものになっています。金銭的な利益を目的としたサイバー攻撃が一層深刻なものとなっていることに加え、国の機密情報や、民間企業が持っている知的財産を狙ってピンポイントで標的を設定し、こうした情報や財産を窃取しようとする事例も急増しています。こうした標的型攻撃の中には国家の関与が強く疑われる攻撃もあり、こうした攻撃は高度な技術を用いて執拗に繰り返されていることから、国としても情報を守るためのセキュリティー対策の強化を急ぐ必要があります。

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「陸・海・空・宇宙に続くサイバー空間を日本は守れるのか」の著者

加藤 康之

加藤 康之(かとう・やすゆき)

スプラウト取締役

松下政経塾一期生卒業。日米経済摩擦解消のためのプロジェクトに携わり、1991年に渡米。2013年、サイバーセキュリティー分野を専門とする株式会社スプラウトを設立、代表取締役社長を務める。2015年2月から取締役。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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