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この取材は「オフレコ」でお願いします

ネット時代に問われる記者の「ツッコミ」力

2014年9月2日(火)

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 非公式の発言を意味するオフレコ(オフ・ザ・レコード)。この言葉が意味するところを取っかかりに、ネット時代のメディアの存在意義について考えてみた。

 今年、ある日本企業のトップに就いた欧米人の話が示唆に富んでいた。多くの上場企業がそうであるように、彼もご多分に漏れず、社長就任会見と合わせて新聞社や通信社の個別インタビューを受けた。

 その翌日。英語に翻訳された記事を眺めながら、拍子が抜けた様子でこう述べた。「日本の記者はとても行儀が良いようだね」。

 前日のインタビューの最中に、同席した広報担当者が「これはオフレコでお願いします」と何度か横やりを入れた。紙面ではその該当箇所がきれいに削られていることが分かったからだ。

 彼が言うには、欧米の記者からインタビューを受ける際に、口にすべきことと、そうではないこととを常に頭の中で峻別しながら話す。口が滑った後で「これはオフレコで」と話しても後の祭り。「オフレコにしますから」と持ちかけられてしゃべっても同様だ。後に大きく記事になり、痛い目に遭ったことが少なからずあったという。

 行儀が良い、という表現はもちろん手放しの褒め言葉ではない。日本ではオフレコと言いさえすれば、自社に都合の悪いことは書かれずに済むとの、皮肉が込められている。

曖昧なオフレコの定義

 日本ではオフレコの概念が曖昧だ。その象徴が、政治家と政治部記者とのオフレコや「オフコン(オフレコ懇談会)」。ここでのやり取りは録音やメモ取りが禁止されているが、後日、「政府高官」や「政府筋」の話として内容が詳らかになるケースが多い。取材を受ける政治家側も、匿名で記事になることを前提に、「ポジショントーク」に近い発言を意図的に繰り出すことがある。文字通りのオフレコとしては使われない。

 だが一方で、オフレコ発言がそのまま表に出ることで問題を生じさせることがある。いわゆる「オフレコ破り」だ。2011年の鉢呂吉雄経済産業相(当時)の「放射能つけちゃうぞ」発言が記憶に新しい。非公式の場であっても、報道するに値する高い公共性があったとメディアが判断した場合に表に出すケースがある。

 その判断は個社、ないしは個別のケースによってまちまちで、統一の見解がある訳ではない。それ故に、「オフレコ破り」が起きた場合には往々にして、発言内容の是非より、非公式の発言を明らかにするという判断に妥当性があったのかどうかに焦点が当てられる。

 一方で、オフレコに胡坐をかいた「書かない記者」が批判を受けてきた。立花隆氏が「文藝春秋」に「田中角栄研究」を発表した際に、「そんな話は以前から知っていた」と担当記者が豪語したという逸話は広く知られている。

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「この取材は「オフレコ」でお願いします」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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