ヤフーはベンチャーらしさを取り戻せるか

社内ベンチャー制度から生まれた「リッチラボ」

 9月1日、1つのベンチャー企業がひっそりと立ち上がった。名はリッチラボ。ヤフーの若手社員3人が中心となって設立したヤフー子会社で、スマートフォン(スマホ)向けの「リッチ広告」を手がける。資本金は4500万円で従業員は9人と、ヤフー子会社としては弱小。ヤフーはプレスリリースを出したが、ほとんど報道されていない。

9月1日に発足したヤフー子会社、リッチラボのウェブサイト

 だが、「ベンチャーらしさ」を取り戻そうと藻掻くヤフーにとって、この新会社の意味は大きい。ヤフー初となる社内ベンチャー制度「スター育成プログラム」から生まれた第1号なのだ。

 急成長のフェーズはとうの昔に終わったヤフー。従業員数は約5000人、年商は約4000億円規模となり、アクセス数で国内首位の座を堅持している。ブランド力は依然として根強く、莫大なベージビューと広告収入を緩やかに伸ばしながら安定的に稼ぐ「大企業」となって久しい。

 一方で、革新的なサービスの投入も、大ヒットもしばらく見かけない。検索、オークション、ニュースというネット黎明期からのサービスが収益を支え、SNSやスマホ向けアプリといった分野では存在感を示すことができていない。新分野への動きは鈍く、いわゆる「大企業病」に陥ったと揶揄されることも多い。

 社内ベンチャー制度のスター育成プログラムは、それを自認するところから始まった。

業務から離れ3カ月の武者修行

 「社員の情熱を解き放ち、ベンチャーらしさを取り戻すための制度。LINEみたいなものが社内から出てくる風土とはどういうものなのか。ヤフーのように官僚っぽい会社がここまでやるのか、という内容にした」。

 ショッピング事業とともに、ベンチャー投資事業の責任者も務める小澤隆生執行役員は、プログラムをこう評する。

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著者プロフィール

井上理

井上 理

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

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