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バントはファン置き去りの戦略か

V9巨人から今夏の甲子園まで半世紀の議論

2014年9月5日(金)

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 プロ野球で送りバントが多いと、「高校野球ではないぞ」というヤジが飛ぶ。「プロならもっと豪快に」というファンの願いだ。その一方で、ひいきチームの勝利を熱望して、バントを支持する声も多い。いずれにせよ、ペナントレースが白熱すると、手堅いバント作戦が増える。その功罪を巡る論争は絶えることがない。

 1993年のペナントレース開幕前に開かれたパ・リーグ監督会議は、さながら6球団監督による「バント論争」の様相を呈した。主役はこのシーズン前に、日本ハムの球団フロントの要職から監督に復帰した大沢啓二だった。独特のべらんめえ調でまくし立てた。

 「先頭バッターが出塁したら、初回からどのチームも決まったように送りバント。これではファンにそっぽ向かれないか。何が何でもバントが悪いというのではない。競り合った試合の終盤でなら、やらねばならぬこともあろう。序盤でもセーフティーバントという手もある。ただ、判で押したように、どこも同じようなことをするのはおかしい」

 当時、日本ハムの本拠地は東京ドームだった。スター軍団の巨人と同居して、人気の差を思い知らされていた。

 我々は見せる努力を怠っていないか。勝てばいいというものではない。プレーする側の論理で試合を運ぶだけで、ファンの楽しみにまで思いが至っていない。それを象徴するのが、決まりきったバントの多用。せっかく指名打者制(DH)を採用しているのだから、セ・リーグとの差別化を図る豪快な野球を協力して進めよう――。そんな熱弁を振るったのだった。

 言い分は分かるが、森祗晶が率いる強い西武を「牽制」する狙いもあった。

 西武のポイントゲッターは当時、秋山幸二、清原和博、デストラーデだった。このトリオが打席に立つ時、得点圏へ走者を進めておくのが、西武の必勝パターンだった。平野謙、伊東勤、辻発彦らバントの名手が、送りバントをきっちりと決めた。主力打者の石毛宏典も送りバントのケースでは厭わずに決めた。

 ダイエー(ソフトバンク)・根本陸夫、ロッテ・八木沢荘六、近鉄・鈴木啓示の3監督は「いろいろな考えがある」と、大沢説に対して中立の立場を取った。反発したのは、名指しで糾弾された格好の西武・森と、監督3年目のオリックス・土井正三だった。2人はV9川上巨人の主要メンバーだ。

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「バントはファン置き去りの戦略か」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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