• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

香港普選への介入は、中国政府による「民主主義の否定」

注目点は米国の反応

2014年9月4日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 北京の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は8月31日、2017年に行なわれる香港トップ(行政長官)を選ぶ選挙について以下の決定を下した。普通選挙の導入を認めるものの、候補者は「提名委員会」が“指名”する人間に限る。

 業界団体などから選出された1200人の「提名委員会」が2~3人の候補者を選出。その候補者に対して、香港市民が1人1票の原則に則って投票する仕組みだ。“反中”的な候補者を事実上、排除する政策であり、香港普通選挙に対する中国政府の政治的干渉を決定づける一手となった。

 この新しい仕組みを実施するためには香港立法会(議会)で3分の2の賛成による可決が必要。最終決定は香港議会の審議を待たなければならない。

 31日夜、全人代の下した“決定”に反発する民主派リーダーらは行政長官官邸前の公園でデモを行った。これに3000人が参加した。

 翌日の9月1日、全人代常務委員会の李飛副秘書長は香港で説明会を開き、今回の決定について説明した。ここでも香港の民主派議員約20人が李氏に対する抗議活動を展開した。

 同日、共産党の機関紙《人民日報》は社説において、「中央に対抗する人間が行政長官を務めることを許さないのは基本法の根本的要求である。これを守ることは国家の安全と利益のため。より根本的には、香港の利益、広範な香港の同胞や投資家の利益のためだ」と主張し、香港民主派の動静を批判した。同日、香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)は「中国共産党は選挙を実施するとの約束を破棄した」と、北京政府に強く反発する社説を掲載した。

カギを握る多数派の動向

 北京と香港は泥沼の関係に突入したかのように見える。事態はこれからどう展開していくのだろうか。

 まず、8月31日の北京政府の”決定”をもって、“香港リスク”が顕在化していくであろう。8月に入って、香港財政部の曽俊華部長が「不確定な政治情勢は完璧な金融危機を引き起こす可能性を孕んでいる」との懸念を公式に表明していた。これが現実のものとなりかねない。香港民主派のリーダーはこれから、北京=香港政府に抗議する集会や座り込み活動を金融街の「セントラル」で実施する――“占中”計画(中環占領;Occupy Central)と呼ばれる――旨を発表している。

 仮に、数十万、あるいは百万人を超える大規模な集会がセントラル周辺で展開されれば、国際金融センターとしての基本的運営と秩序が脅かされかねない。

「米中新時代と日本の針路」のバックナンバー

一覧

「香港普選への介入は、中国政府による「民主主義の否定」」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授