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“ミスター合理化”土光敏夫氏が示したぶれない信念

滅びる王様より望みある乞食がまし

  • 日経ビジネス編集部

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2014年9月5日(金)

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日経ビジネスはこの9月に創刊45周年を迎えた。それを記念し、世相を彩ってきた“時代の寵児”20人を選び、彼らへのインタビュー記事を再掲する。それぞれの“肉声”から、今にも通じる様々な教訓を読み取れるだろう。

(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

1975年12月22日号より

「滅びゆく王様より、先に希望の持てる乞食の方がいい」という土光敏夫経団連会長。
将来に目標のない人間は生きていけないが、これは企業の経営者だけでなく消費者も含めた経済体も同様だ。
この不況を突破するには、政府がまず、景気の先行きに的確な見通しと目標を与えることが大前提だと同氏は力説する。

(聞き手は本誌編集長、吉村 久夫)

   *   *   *   

土光 敏夫氏 経済団体連合会会長、東京芝浦電気会長。明治29年9月15日、岡山県生まれ、79歳。大正9年東京高工機械科卒後、直ちに石川島造船所に入社、昭和25年石川島重工業社長、35年合併の石川島播磨重工業社長に就任。40年にはその経営手腕を買われて、当時経営危機にあえいでいた東芝社長となり、再建に成功。昨年5月、植村甲午郎氏のあとを受けて4代目の経団連会長を就任。朝晩、読経が日課。質素倹約型の私生活。この冬、ようやく最新型の暖房機を自宅に取り付けた。

 政府の不況対策をみていると、相変わらず及び腰の姿勢が目立ちます。このまま越年したら、大変なことになるんじゃないかという経済界の不安も大きくなる一方ですね。

 われわれの方でも、この1年いろいろと福田副総理らにお願いしてきたわけなんですが、思うようにいかないまま、ここまできてしまった。政府・日銀のいうようにマクロでは、景気は多少は持ち直しつつあるようにみえるかもしれないけど、ミクロではますます悪化する一方なんですよ。とにかく、需要がないから価格はちっとも上がりませんからね。

 やっと、ことしの9月に第4次の不況対策をやると決めたが、国会があんな調子で、実行は非常に遅れてしまった。これではもう5次をやる時期がありませんよ。だから、われわれは来年度予算が組まれつつあるいま、赤字国債などケチケチしないで、大型積極予算でいこう、という運動を始めたわけなんです。

 なにしろ、昨年来、政府が目標としてきた「物価と景気」のうち、物価の方は、福田さんのいう通りになっているのに、景気の方だけがあとに残された形になっていますから。

 しかし、そういう施策をやっても、来年の前半はうまくいかんでしょうね。ぼつぼつ効果が出てくるのはうまくいって秋からです。それほどに景気は冷え切っているんです。

大局的見地に立たねば前進しない

 政策のモタつきは三木内閣の指導性とか自民党の内部での問題などもからんでいるようですね。

 自民党にもいろいろな問題はあるんでしょうけど、とにかく政府内部の意見が一致していなかった、という感じですね。

 いまのような時期には、三木内閣としてはそれこそ、全体の中で協議し、協力し合いながら、確固たる認識に立って強力な政策を打ち出すべきだったんです。それが必ずしもそうはいかなかったところが問題なのです。先日、河本通産大臣に会ったときも「内閣の意思統一をはかってくれなくては困る」と申し入れたんですがね。

コメント4件コメント/レビュー

当時、土光さんが自宅でめざしの食卓を囲んでいたことが美談調に報じられた。経団連の会長という地位にありながら、質素堅実な暮らしぶりに記者はいたく感心したという話だが、正直疑問に思ったものだ。別に高所得者であるから質素な暮らしが悪い、というわけではない。それをあるべき姿のように喧伝する風潮に対してである。実はあのめざしは高級品なのだ、とかいろいろ言われたが、少なくとも日本の産業界の価値観にも多大な影響を与えたと思う。私見では、わが国の産業が相変わらずスマイルカーブの中間に位置する低付加価値の”加工”領域から抜け出せないのは、この豪奢や爛熟を忌避し、ひらすら質実剛健のみを善とする硬直的な生活思想が国民の文化的発展を著しく阻害してしまったことが大きいと考えている。(2014/09/09)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

当時、土光さんが自宅でめざしの食卓を囲んでいたことが美談調に報じられた。経団連の会長という地位にありながら、質素堅実な暮らしぶりに記者はいたく感心したという話だが、正直疑問に思ったものだ。別に高所得者であるから質素な暮らしが悪い、というわけではない。それをあるべき姿のように喧伝する風潮に対してである。実はあのめざしは高級品なのだ、とかいろいろ言われたが、少なくとも日本の産業界の価値観にも多大な影響を与えたと思う。私見では、わが国の産業が相変わらずスマイルカーブの中間に位置する低付加価値の”加工”領域から抜け出せないのは、この豪奢や爛熟を忌避し、ひらすら質実剛健のみを善とする硬直的な生活思想が国民の文化的発展を著しく阻害してしまったことが大きいと考えている。(2014/09/09)

先人の叡智をひもどき、温故知心ならいい。全てが羅針盤を失った漂流船の如しと指摘されても返す言葉も無い最近の政治、経済、社会の運営だ。先人の築いた事蹟をグローバル世界に対応できない時代遅れや先頭責任を終えたものと簡単に片付け、パソコン上の資料の上書きのように塗り替える。各界のリーダーの言辞を聞いていると、主語と術語前後のて・に・を・はを入れ替えるだけか、その内語り部自身がわけ判らなくなる説明とその有り様には愕然とさせられる。美しい日本を言うなら、日本人らしさの根底に言葉を大切にする心が欲しい。どういう國にするのか― 地方創世係を創設してもいいから、次は私の番などと仮の宿り気分ではなく、目にもの見せて欲しい。地産地消の基本への回帰で肥満で悩む首都東京を手始めに、地方にあるもの、地方にないものの物流を地方主権・地方自立的に行う等、素朴な民の発想なのに、中央の権力者は、権力にしがみつき錯覚しているに過ぎない。大戦後でも土光さんのような、所謂骨のある方々は、骨太の施政方針にもまして、大勢居られたことを思い起こしている。(2014/09/06)

背景知識の無い若い人は、読んでも何だかわからないんじゃないですかね。50代でもかろうじてなんだし。脚注や今のエコノミストの解説なりがあれば、より分かりやすい気がします。(2014/09/05)

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