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「刑務所のアイドル」が保護司になった

再犯防止の“担い手”がピンチ

2014年9月18日(木)

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 「保護司」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 仮出所した受刑者や、少年院を退院した少年・少女の社会復帰を手助けする民間ボランティアだ。罪を犯した人間を矯正し、再犯罪の防止にも大きな役割を果たしている。

 保護司は、伝統的に地域の名士がその役割を担うことが多い。

 例えば、地方議員やそのOB、僧侶、会社経営者、学校の元校長らだ。そう聞くと年配者が多そうなイメージがある。しかし、高度成長期には30代の保護司も多くいた。

 身分は、非常勤の国家公務員だが、基本的に無償で任に当たる。

保護司も人手不足

 その保護司の世界に、人手不足と高齢化の波が押し寄せているという。

 法務省によると保護司の人数は2012年時点で4万7968人。2000年代後半に入って減少傾向が目立ち、毎年200~400人のペースで減っている。

 また1962年では60歳以上の保護司の割合が41.4%だったのに対し、2012年では77.8%にまで上昇。一方で、40歳未満の保護司は現在、全体の0.5%にとどまる。

増大する再犯率

 保護司の存在が注目されることは少ない。しかし、この傾向を看過することはできない。

 近年、犯罪数は減少傾向にあるものの、「再犯率」は年々上昇しているからだ。2012年の再犯率は約45%で過去、最も高い数字を記録した。その背景に保護司のなり手不足という問題が潜んでいる可能性は否定できない。

 犯罪が起きてから取り締まる対症療法的な向き合い方ではなく、初犯者や再犯者を防ぐ社会基盤の整備が必要だ。犯罪抑止を縁の下で支えているのがこの保護司といえる。

 例えば「万引き」は、再犯傾向が高い犯罪だ。少年少女から高齢者まで、安易に手を染めてしまいがちな万引き。警察庁が発表している認知件数は2013年に12万6000件に上り、被害額は約25億円だ。しかし、あくまでもそれは氷山の一角で、潜在的な被害額は1000億円近くになるという調査もある。検挙率は70%ほどだ。

 防犯カメラの設置費用だけでも馬鹿にならない。万引きが原因で、閉店に追い込まれた小売店も少なくはない。万引き1つとっても、日本経済を大きく毀損していると言える。

 世界でも、日本の治安の良さには定評がある。だが、2020年に東京五輪開催を控え、安全・安心の「おもてなし」をするために、犯罪対策に本気で取り組む必要がある。だからこそ保護司の果たす役割も、決して小さくないと思う。保護司に光を当て、その活動の輪を地域ぐるみで広げていくことが今後、求められていくだろう。

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「「刑務所のアイドル」が保護司になった」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官