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地域を支える「逃げない気構え」

なぜ今「ファミリービジネス」が重要なのか

2014年9月24日(水)

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 「ファミリービジネス」、この言葉を聞いた時に皆さんは何を連想しますか。今から10年ほど前、私がこの言葉を初めて聞いた時に、その支援を専門に行っている米国人コンサルタントは、「マフィアのことではないですから誤解しないように」と冗談交じりに前置きしました。また、数年前に経済産業省が「地域活性化の中心的役割を果たすファミリービジネス」というテーマでプロジェクトを立ち上げた時にも、「ファミリービジネスの適切な日本語訳はないか」という議論になりましたが、最後まで明確な結論はでませんでした。

 しかし、以前と比べると「ファミリービジネス」という言葉が目につくようになっているのも確かです。事実、軽井沢の一ホテルを全国ブランドに高めた星野佳路社長の『星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント』や、名だたるファミリービジネスがあっという間に破綻に至った経緯を綴った『林原家 同族経営への警鐘』は話題になりました。また、6月には、一般週刊誌上でも「ファミリー経営が革新を生む」と題した巻頭特集記事が掲載されました。

 本稿では、ファミリービジネスの厳密な定義という難しい問題はひとまず横に置いて、日本においてファミリービジネスとの接点を持っている人たちが今どのような課題に直面し、どう解決策を模索しているのか、欧米と対比しながら紹介していくことで、日本におけるファミリービジネスの形をより具体的に感じていただこうと思います。

金融機関とファミリービジネス

 ファミリービジネスを家族が中核となって事業を展開している会社、よく使われる言葉で言うところの「オーナー企業」あるいは「同族企業」と考えると、その会社数は、日本の企業の95%以上を占めます。また、地方におけるファミリービジネスには、100年以上続いてきた老舗が多く、雇用や生産といった経済活動に止まらず、文化・スポーツの支援や政治活動に至るまで、様々な領域で長期に亘って重要な役割を担ってきています。各地の神社の灯篭、お祭りの提灯、Jリーグチームのユニフォーム上の企業名やロゴを見るとそのことが直感的に理解できます。

 こうした企業を各地域で支援している地域金融機関にとって、ファミリービジネスは最も重要な顧客の1つです。地域金融機関を監督する金融庁は、現在のように金余りの金融環境下では、企業に融資をするだけでなく、企業経営をよりよくするような様々な知恵を出すことが、結果として地域を活性化し、中長期的に地域金融機関の経営環境を改善することにつながるという考え方に立っています。具体的には、企業を元気にするために、事業再生や事業承継等の分野でコンサルティング機能を強化するよう強く求めているのです。

 この指摘は非常に的を射たものです。ほとんどのファミリービジネスが事業承継を最も重要な課題だと感じているといっても過言ではありません。しかし、日本で事業承継の話になると、すぐに莫大な相続税支払いへの対応という話になってしまい、地域金融機関は自社株価算定や不動産を活用した相続税引き下げ対策など、どうしても節税対策サービスに特化しがちです。

 しかし、欧米の金融機関やコンサルティング会社がファミリービジネスの経営者にアドバイスをする際には、「相続税対策だけやっておけばよいと考えると事業承継は必ず失敗する」、「事業承継は相続というイベントではなく10年単位のプロセスとして捉えることが重要である」という警告からスタートします。このように彼我の差が生まれる背景は興味深いテーマです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官