• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

パナソニックは「普通の会社」になれたのか

組織を居抜きで使わない津賀一宏社長の経営

2014年9月25日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 薄型テレビ事業の失敗などで危機的状態に陥った家電3社の中で、パナソニックが順調に立ち直りつつある。2年前に就任した津賀一宏社長による事業構造改革がひとまず功を奏した格好である。評判を気にせず、理詰めで事業撤退などを迷わず進めるしたたかさが際立つ。

津賀一宏社長(写真:都築雅人、以下同)

 プラズマテレビなどのデジタル家電の不振で、パナソニックは2012年3月期連結決算で、7720億円余りの純損失を計上した。大坪文雄社長が退任して、津賀が専務から社長に起用された。大坪は代表取締役会長に就いたが、実態は引責による交代である。

 その時、津賀は55歳で一般にはほとんど無名だった。大阪大学基礎工学部生物工学科を1979年に卒業して松下電器産業(当時)に入社、44歳まで研究所で働いていた。社内分社のAVC社の技術責任者などをやり、役員を経て、08年に常務役員に昇格し自動車向け電装品を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズ社の社長になった。ここで初めて経営全般の仕事に携わる。

お詫び会見で飛び出した思い切った言葉

 3年後の11年4月に専務役員・AVCネットワークス社社長に就き、6月に専務取締役に昇格する。そのころ取材した時「私は研究所にずっといたので、事業にはあまり関わっていません。最近の経験で、わかったようなことを言ってるんですよ」と謙遜していた。しかし当時、次期社長候補の1人と目され、前述の事情によって、翌年、それが現実になる。

 一見、普通のサラリーマンタイプで、いかにも若手経営者という印象だった。ところが驚かしたのは、その12年10月、第2四半期決算の発表でのことだ。それまでの黒字転換の見通しを翻して、12年度も前期に引き続き巨額の赤字を予想し、併せて無配を発表したのである。実際の13年3月期連結決算の純損失は7540億円あまりに上り、12年3月期と合わせて1兆5000億円を超す途方もない赤字となった。

 社長に就任してわずか4カ月で、お詫び会見である。「今回、極めて厳しい決算を発表することになり、社会の皆様に対し責任の重さを痛感しています」。さらに「まことに遺憾ですが、今年度は無配にさせていただきます。当社は戦後の混乱期を除き、無配になったことはございません。株主の皆様には大変申し訳なく思っております」と謝した。

 お詫びは型通りだが、この会見で風貌に似つかわしくない思い切った言葉が次々と飛び出した。「業績が下振れした根本原因は本業の不振にあります。デジタル家電の領域で、当社は残念ながら負け組になっているといわざるを得ません」。「当社は20年前から低成長、低収益という状態が続き、構造改革を行っても、一時的な改善に留まり、再び利益が低下するサイクルに陥っております」。

 聞きようによっては、森下洋一、中村邦夫、大坪文雄の過去3代の社長による経営の否定である。そして「当社は今、普通の会社ではないと、我々はしっかり自覚することからスタートしなければならないと考えています」と言いきった。

コメント1

「森一夫が見た リーダーシップの源泉」のバックナンバー

一覧

「パナソニックは「普通の会社」になれたのか」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

実は事業継承の覚悟って、そんな大それたものではないんですよ。

高田 明 ジャパネットたかた 創業者