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なぜ米国経済だけが好調なのか

自動車版「サブプライム・ローン」も活況

2014年10月1日(水)

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 消費税増税の影響は限定的だと言い続けてきた日本政府も、流石に実体経済が低迷している事実を否定できなくなってきた。4-6月期GDPの下方修正で内閣府試算のGDPギャップはマイナス幅が拡大し、9月の月例経済報告では景気基調判断が引き下げられ、10月の日銀短観も2四半期連続悪化の見通しとなっている。

 黒田東彦総裁の強気姿勢とは裏腹に、日銀は今年に入って今年度の成長見通しを3回下方修正している。だが現在の1.0%成長見通しすら非現実的との見方が大勢で、民間平均予想の0.5%とも大幅にかけ離れており、4回目の下方修正は時間の問題と見られている。大本営発表の数字は、日に日に信頼感を失っている。

 政府・日銀の説明には「低迷の主因は天候不順」との釈明が常に付随しているが、世界経済の動向を見誤ったことも認めるべきだろう。確かに米国経済には明るさが戻っているが、欧州や中国をはじめとする新興国は相当に厳しい経済環境に覆われており、短期間に回復するような気配は全くない。日本経済は、国内の消費不振だけでなく外需低迷というリスクにも晒され続けているのである。

4-6月期はドイツすらマイナス成長に

 先月、豪州で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議では、経済面での米国の堅調さと米国以外の苦戦というコントラストが鮮明に映し出されていた。だが、それは9月になって初めて気づいた話ではない。

 ユーロ圏の病巣は、2012年秋以降の資本の再流入によって隠蔽されてきた。長期金利が急低下したことで南欧諸国の構造改革意識が低下し、スペイン以外では低成長構造が放置されてきたのである。それに加えて、牽引役であったドイツが米国の圧力に押されてウクライナ問題で対露制裁強化という政治判断を行ったことで、経済面で強い逆風を受けることになった。4-6月期は、ドイツすらもマイナス成長に陥ってしまったのである。

 また、中国経済の問題は本コラムで何度となく指摘してきたが、不動産価格は主要70都市のうち68都市で下落が始まり、金融緩和策も効果が出にくい状況になっている。理財商品や信託商品などのシャドー・バンキングに依存した成長が持続不能であることは、もはや世界的なコンセンサスであり、中国経済が想定外のペースで失速するリスクは、絶えず頭の隅に置いておかねばなるまい。

 そして、欧米による制裁強化や原油価格低下で苦闘するロシアや景況感悪化からの出口が全く見えないままのブラジルなど、その他の主要な新興国でも経済低迷が続く。東南アジアは中国経済成長鈍化という逆風を正面から受けることになろう。IMFは、2003-2008年に7%であった新興国全体の平均成長率が2008-2013年には6%に減速、2014年以降の5年間では5%にまで低下する、と予想している。それは、日本の成長期待値を押し下げるに十分な数字である。

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「なぜ米国経済だけが好調なのか」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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