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日立の復活が見せる日本企業再生への道

2014年10月1日(水)

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日立製作所の復活の研究に関心が集まっている。7873億円。2009年3月期に製造業として過去最大の最終赤字を計上したどん底からのV字回復は、何が要因かを分析しようというものだ。テレビ生産をやめ、グループの上場会社を完全子会社化し、黒字のハードディスク会社も売却するなど、事業の大胆な選択と集中が効を奏したとしばしば言われる。だが、果たしてそうか。転落と復活の10年を見つめ直してみると、別の姿も浮かぶ。日本企業が再び強くなる道を、そこから考えてみた。

 V字回復という言葉には妙なる響きがある。前半には、組織の硬直化、悪癖、失策などが澱のように溜まり、転がるように底に落ちていくが、そこから一転。たまりに溜まった悪弊を削ぎ落とし、一気に上昇していく…。そんなイメージがあるからだ。

 だが、それは本当にそうなのか。例えば、2009年3月期に7873億円と、製造業として過去最悪の最終赤字に沈んだ日立製作所。大赤字の直後、2009年4月に会長兼社長に就任した川村隆氏を中心とする大改革で反転し、2014年3月期には営業利益が5328億円と過去最高益を上げている。

 情報・通信、電力、鉄道など社会イノベーション事業に集中する一方で、ハードディスク、テレビなど非中核事業を切り離す大胆な選択と集中が、文字通りのV字回復を実現したと注目を集める。だが、そこに様々な前史がある事はあまり知られていない。川村改革自体は、大胆な取り組みであり、成功した改革と捉えられるが、その前史から見つめ直してみると、また別の姿も浮かぶ。企業を作り直すことの本当の難しさと、改革の芽はどこにもあるという希望である。

大胆な事業の選択と集中を行った川村改革の全体像
出所:日立製作所の資料を基に本誌作成

研究者の交流が新たな価値を生む

 前史の一コマを現場に据えてみよう。その1つ、イノベーションの本丸である日立中央研究所では2005年春から2008年春にかけて一風変わった改革が行われていた。中心になったのは、2005年に中央研究所長となり、後に本社研究開発本部の技師長にもなった福永泰氏(現・日本電産中央モーター基礎技術研究所長)だ。その改革は、ひと言で言えば、異なる分野の技術者の融合である。

 基礎技術開発を行う中央研究所は大方がそうだが、研究者は自らの領域に特化して研究をしようとするあまり、最終的な事業化に辿り着かないことがしばしば起こる。もちろん、「民間企業の研究者だから事業化を忘れるということはない」(福永氏)が、研究に入ると、より深い領域へとはまり込みやすい面がある。

2009年3月期に、国内の製造業史上最大となる7873億円の最終赤字を計上した日立製作所。そんな崖っぷちの総合メーカーをV字回復に導いたのは、本流から外れた“デッドヘッド(員数外)" の男たちだった――。日立の経営再建の軌跡をたどった「異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日」をぜひお読みください。

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コメント2件コメント/レビュー

「選択と集中」で重要なのは、売りに出す事業は赤字化してからでは遅過ぎる、と言う事。利益が出ている間に将来性を判断して、「売り手市場」で涎を垂らして欲しがっている相手と交渉しなくては「叩き売り」になってしまう。そのその為にも決算毎に事業別の売上げや収益性の現在と将来の予測を繰り返し行う事だ。利上げは小さくても将来性があるならば、投資を集中したりM&Aで手っ取り早く将来に向けた体制を買ってしまう事だ。「叩き売り」される事業の社員の事を考えれば、その様に処分された組織は買収後恐ろしい程の人員整理が待っている。例えば、ある事業の開発製造部門を売りに出す場合、売却後数年間は売却先からの調達を保証する事は考慮すべきだ。それと引き換えにその期間は人員整理しない事を売却の条件にしても良い。不採算だから切り捨て、「後は知らない」では他の会社も人もその会社を信用出来なくなってしまう。信用を失ったら、どんなに経営効率を上げた所で成長は止まってしまう。こんな当たり前の事が、今までの日本の会社は殆ど出来ていなかったが、最近はチラホラ出始めている。日立もそう言った会社の一つなのだろう。(2014/10/01)

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「日立の復活が見せる日本企業再生への道」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「選択と集中」で重要なのは、売りに出す事業は赤字化してからでは遅過ぎる、と言う事。利益が出ている間に将来性を判断して、「売り手市場」で涎を垂らして欲しがっている相手と交渉しなくては「叩き売り」になってしまう。そのその為にも決算毎に事業別の売上げや収益性の現在と将来の予測を繰り返し行う事だ。利上げは小さくても将来性があるならば、投資を集中したりM&Aで手っ取り早く将来に向けた体制を買ってしまう事だ。「叩き売り」される事業の社員の事を考えれば、その様に処分された組織は買収後恐ろしい程の人員整理が待っている。例えば、ある事業の開発製造部門を売りに出す場合、売却後数年間は売却先からの調達を保証する事は考慮すべきだ。それと引き換えにその期間は人員整理しない事を売却の条件にしても良い。不採算だから切り捨て、「後は知らない」では他の会社も人もその会社を信用出来なくなってしまう。信用を失ったら、どんなに経営効率を上げた所で成長は止まってしまう。こんな当たり前の事が、今までの日本の会社は殆ど出来ていなかったが、最近はチラホラ出始めている。日立もそう言った会社の一つなのだろう。(2014/10/01)

経営者や役員クラスが読んだら共感する記事かもしれない。業績回復はある意味選択と集中の試みを大胆にふるってそれが成功したからだろう。トータルでよければ何をしてもよいのか。現場はドロドロ、疲弊している。本体の業績回復は、関連会社と協力会社の涙の結晶と血のにじむような努力とカネでできているのかもしれない。それでも仕事があることはよいことだと思う。頑張ってくれ。(2014/10/01)

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