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地震予測ビジネスの立ち上げとメディア報道

改善の途上であると認めつつ情報を発信

2014年10月6日(月)

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 3日のコラムで述べたように、お役所のサポートなどとても期待できない私は、自前の地震予測ビジネスを立ち上げることを決意した。

 すべては、あまりに悲惨な結果をもたらした東日本大震災の異常な前兆を事前にキャッチしながら、世間に発信できなかったことへの後悔の念からだった。大儲けするつもりなどない。地震予測を通じて、少しでも犠牲と被害が少なくなるよう、自分なりの社会貢献がしたかった。

 とはいえ、これも前回のコラムの最後に述べたように、膨大なデータ解析に基づくわれわれの地震予測を世間に発信するためには、人件費など、最低限の経費をまかなうビジネスモデルを打ち立てなければならなかった。

 確度の高い地震予測の情報をコツコツと提供することが前提ではあるが、それと同時に、われわれのことを世間に認知してもらう必要があった。そのためには、メディア報道にも取りあげてもらわなければならない。

 一定の収益の確保を目指しつつも、まったく大儲けにはならない社会貢献を果たしていく。メディア報道をはじめ世間に興味を持ってもらうインパクトを目指しつつも、あまりにも地道な情報提供を続けていく。

 よく考えれば、われわれの地震予測は、多くのビジネスシーンで両立が困難とされているであろう、あまりに無謀なチャレンジに乗りだしていたのだった。

株式会社JESEAの立ち上げ

 地震予測ビジネスで収益をあげる戦略など、まったく見当もつかなかった。

 いまだ東日本大震災の後悔は消えなかったし、曽祖父が岩手県三陸での明治地震・津波のため亡くなったこともあって、とにかく社会貢献をしたいという気持ちばかりが募っていった。津波から助かった人の証言を集めて、『東日本大震災の教訓』という本も古今書院から上梓した。

 だが、私はなにより、自分たちなりの地震予測をすることで、国民に信を問いたかった。お役所から信用されなくても、国民から信用されればそれで社会の役に立つはずだ。とはいっても、そのためのビジネスモデルがいる。

 転機となったのは、2012年10月。変わった人生を歩んできた2人と偶然に出会ったことだった。橘田寿宏さんと谷川俊彦さんだ。橘田さんは、衛星放送関係の仕事をした後で映画のプロデューサーを、谷川さんは、電気・電子関係の会社に勤務の後で薬品関係のビジネスをしていた。

 2人とも東日本大震災の経験から、貧乏でも無給でもよいから、世の中に役立つことをしたいと熱望していた。私が電子基準点データを活用して地震予測ができると説明したところ、世界でまだ達成されていない技術であって世の中に求められている技術なら、ぜひやりたいと申し出てくれたのだ。

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「地震予測ビジネスの立ち上げとメディア報道」の著者

村井 俊治

村井 俊治(むらい・しゅんじ)

東京大学名誉教授

公益社団法人日本測量協会会長、地震科学探査機構顧問。1963年東京大学工学部土木工学科卒業、1983年東京大学生産技術研究所教授、2000年東京大学定年後、東京大学名誉教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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