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拉致調査停滞、長期戦覚悟の日本政府

「北朝鮮ペース」に様々な背景も

2014年10月6日(月)

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北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査の先行きが不透明になってきた。日本政府は北朝鮮側の訪朝提案に応じる方針だが、拉致被害者らにつながる情報を得られるかは懐疑的だ。調査停滞の背景に北朝鮮側の事情があるとの見方もあり、「長期戦」を覚悟し始めた。

 安倍晋三首相の決断で実現にこぎつけた北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査の雲行きが怪しくなってきた。日朝両政府は当初、7月から始まった再調査の初回報告を9月中旬とする方向だったが、北朝鮮側が先送りする姿勢を鮮明にしているためだ。

「具体的情報は望み薄」の公算

 9月18日になって北朝鮮側が「初期段階を超える説明はできない」と日本政府に通知。日本側の要請で9月29日に中国・瀋陽で行われた日朝外務省局長級協議では調査内容について具体的な言及はなく、北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使は伊原純一アジア大洋州局長に「詳細な現状については平壌に来て特別調査委員会のメンバーに直接会って話を聞いてほしい」と提案した。

 北朝鮮側との水面下での調整などから、日本政府内では現段階で調査団が訪朝しても拉致被害者ら日本が重視する具体的な情報が出てくる可能性は小さいとの見方が広がっている。

 「何も情報がない中で平壌に行くのは賛成できない」「向こうのペースに巻き込まれる」――。

 今月1日に拉致被害者家族会向けに開いた日朝局長級協議の説明会では、調査団の派遣に対し、家族会から慎重論が相次いだ。拉致被害者の安否を巡り、北朝鮮が過去に不誠実な対応を繰り返してきたことが念頭にあるからだ。

 2002年の小泉純一郎首相の訪朝時、北朝鮮は5人生存、8人死亡と伝えた。2004年、小泉首相の再訪朝を受けて北朝鮮が再調査に応じたものの、横田めぐみさんの遺骨として示された骨から別人のDNAが検出された。

 さらに08年にも再調査で合意したが、福田康夫首相の退陣を理由に北朝鮮は一方的に調査を取りやめている。

 実は、北朝鮮側との調整の中では再調査の報告をどこで受けるのかが大きな焦点になっていた。「訪朝して報告を受ける場合、不十分な調査内容であっても日本側はそれを認めたことになりかねない」と政府関係者は懸念する。今回の訪朝提案を北朝鮮側は調査の「現状確認」と位置付けているが、こうしたリスクをはらむ構図に変わりはない。

 それでも、日本政府は関係省庁の実務者からなる訪朝団の派遣を決定する方針だ。北朝鮮内の権限上、宋大使からこれ以上の説明を受けるのが難しいうえ、安倍首相の肝いりで再開した日朝交渉を決裂するわけにはいかない事情があるためだ。

 「北朝鮮との交渉はいつもフラストレーションが溜まる。でも平壌に行かなければ、何の情報も得られない」。日本外務省幹部は苦しい胸の内をこう明かす。

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「拉致調査停滞、長期戦覚悟の日本政府」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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