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政府が「デフレ脱却」を宣言できない理由

2014年10月7日(火)

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 麻生太郎財務相は9月3日の記者会見で最近の経済情勢について、「(安倍政権の)2年弱の成果としてデフレから脱却したとは言える段階に来た」と発言した。けれども、この発言を政府による「デフレ脱却宣言」の前触れだと受け取るべきではない。

 政府の中で「デフレからの脱却」を宣言するかどうかを所管しているのは内閣府であり、この問題を担当している大臣は「アベノミクスの司令塔」である甘利明経済再生相である。その甘利氏は9月5日のインタビューで、デフレ脱却宣言の時期について、「(安倍晋三首相による15年10月に再度引き上げるかどうかの)消費増税の判断のなかではできない」と述べて、年内の脱却宣言は困難との見方を示した。

 ちなみに、麻生財務相は上記の発言に続けて、「好況かと言われれば、そこまでは言い切れない」とも指摘した上で、「デフレ不況から脱却して経済成長の波に乗せていく必要がある」と述べている。麻生氏の場合、「デフレ」からは脱却したと言えるものの「デフレ不況」からは脱却していないという独自の語法でコメントしているようである。

デフレ脱却の判断基準は厳しい

 政府が「デフレ脱却宣言」を行うかどうかの判断基準は、市場参加者の間でもあまり知られていないが、2006年に決まったことが基本的にそのまま踏襲されており、かなり厳しいものになっている。

 政府・自民党と日銀との間で「デフレ脱却」の定義を共有できない状態のまま、日銀は06年3月9日に量的緩和政策を解除した。それよりも後の3月28日に、政府(内閣府)は「デフレ脱却」の定義とその判断基準を公表した。

 「デフレ脱却」の定義は、「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」とされた。逆戻りしない見込みとなっているのを確かめる必要があるという点が、デフレ脱却を宣言するまでのハードルの高さにつながっている。

デフレ脱却を見極める4つの指標

 そして、脱却したかどうかの判断に利用する4つの経済指標は、①消費者物価指数(CPI)、②GDPデフレーター、③需給ギャップ、④単位労働コストである。これらを踏まえて「物価の基調や背景を総合的に考慮し慎重に判断する必要がある」「ある指標が一定の基準を満たせばデフレを脱却したといった一義的な基準を示すのは難しく、慎重な検討を必要とする」とされた。

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「政府が「デフレ脱却」を宣言できない理由」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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