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安倍政権が憂える「円安マグマ」

伸びない輸出や倒産が消費再増税に影響

2014年10月8日(水)

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 10月1日夕方、首相官邸4階。安倍晋三首相、主要閣僚、日銀総裁、経団連会長らが集まった経済財政諮問会議で、足元の景気と財政健全化について話し合った。その終盤に、菅義偉官房長官が急速に進む円安に深い懸念を示した。

 菅官房長官「これだけの円安になっても、輸出がほとんど動いていない。大きな問題があると思う。企業が先行きに対して自信がない、あるいは見通しがまだ立っていないから動かないのではないかと心配している」

 この疑問に対し、同日に9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を公表したばかりの黒田東彦日銀総裁が口を開いた。

 「為替レートの調整が進み、輸出の採算は良くなっている。一方で、輸出の数量がなかなか伸びない。これにはいくつかの要因があり得る」と指摘した。

 具体的な説明はこうだ。

 「1つは日本の非常に重要な輸出マーケットであるアジアで、景気回復が若干もたついている。もう1つは、リーマンショック後、円高が進むもとで自動車産業や部品産業、エレクトロニクス等が海外移転を進めた。そのため、円安方向になっても急に海外生産をやめるわけにはいかず、輸出がそれほど伸びていない」

 ただ、黒田総裁は「短観で見られたように大企業・製造業の収益状況は改善している。輸出を通じて直接的に成長率を押し上げる効果は従来よりもやや弱まっているかもしれないが、そうした企業が設備投資を更に行えば成長に寄与していく」と述べ、円安の話を切り上げかけた。

官房長官、「円安でも設備投資なし」

 が、菅官房長官が噛みついた。「今は円安により収益が上がっているにもかかわらず、設備投資は全く比例していない。それと、海外に出ている企業がまた日本に戻ろうという雰囲気も出ていない。日本の景気の先行きに、まだ見通しを持てないでいるのではないか」

 安倍首相も加勢した。「輸出が伸びていない点は大きなポイントなのだろう。今後どうなるかが非常に大きい。最近の為替水準において、企業が国内で投資する、あるいは海外に出ていた企業が国内に生産を戻すことが果たしてどれぐらいのスパンで起きるのか。検討する必要がある」

 安倍政権内で高まる「円安マグマ」への憂慮。今年に入り、外国為替市場では円ドル相場が1ドル=100円を少し超える水準で安定していたが、8月以降に潮目が変化。米量的金融緩和が終了するとの観測から、主要通貨に対してドル高が鮮明になり、円ドル相場もついに1ドル=110円の円安水準に突入した。

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「安倍政権が憂える「円安マグマ」」の著者

馬場 燃

馬場 燃(ばば・もゆる)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社の経済部などを経て、2012年4月から日経ビジネス記者。電機・IT業界を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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