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本当は「働きたくない」だけなんじゃないの?

「無業社会」著者とのバトルトーク一部始終

  • 江村 英哲

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2014年10月15日(水)

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 2001年に若年就労支援を専門とする任意団体「育て上げ」ネットを立ち上げ、若年無業者(ニート)の問題に取り組んできた工藤啓(くどう・けい)氏。2014年6月、「無業社会 働くことができない若者たちの未来」(朝日新書 工藤啓・西田亮介共著)を上梓し、日本の雇用の在り方について改めて世間に問題提起した。 記者は9月末、工藤氏と著書の読者を招いて都内某所で座談会を開催した。偏見に満ちた質問を投げかける記者らに対し、やさしく誤解を解こうとする工藤氏。以下はその、バトルトークの再現ルポである。

 「働くことができない若者」という言葉を聞くと、記者は違和感を覚えてしまう。働かなければどうやって日々の暮らしの糧を得るのだろうか。

 厚生労働省が2014年9月末に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、1992年6月に並ぶ高水準だったという。国内の製造業の中には、人手不足に頭を悩ませる企業も多い。乱暴な言い方をすれば「選り好みさえしなければ、働く場所はあるのではないか」という思いが、記者の頭からぬぐえないのだ。

 しかし、思い込みでは記事は書けない。現実を知るべく、記者は若年無業者の問題に詳しい一人の男性に目を付けた。工藤啓氏(37歳)。最近「無業社会 働くことができない若者たちの未来」(朝日新書 工藤啓・西田亮介共著)を上梓し、無業の若者を支援するNPOを10年以上にわたって運営する専門家だ。工藤氏によると「孤立する若者が社会や情報から断絶される」ことが問題の根底にあるという。

 ぜひ工藤氏に会って話を聞きたい。しかし、図体はでかいが肝っ玉は小さい記者が一人で挑むと、長年この問題に携わってきた工藤氏に言いくるめられてしまうのではないか。そこで、労働問題の専門家や派遣労働者の経験がある女性など、バラエティに富んだ知人を呼び集め、工藤氏を質問攻めにすることにした。

認定特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長
工藤啓(くどう・けい) 氏
1977年、東京都生まれ。米ベルビュー・コミュニティー・カレッジ卒業。若者の就労支援を手掛ける任意団体「育て上げ」ネットを2001年に設立。2004年にNPO法人化して理事長に就任する。著書に「NPOで働く―社会の課題を解決する仕事」(東洋経済新報社)、「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)など。(写真は的野弘路、以下同)

 最初は記者自身が質問した。製造業の取材が長く、工場など現場で働く若者の取材の経験もある。「無業社会」で描かれた若年無業者は「甘えているのではないか」。一読した後からずっと、著者に聞いてみたいと思っていた。

Q 著書の中には「資格を取ったが面接が苦手で引きこもった若者」など、何人か若年無業者の例が紹介されていた。ただ正直な感想として、甘えている部分があるのではないか、もうすこし頑張れるのではないかと、思わざるを得なかった。

A (工藤氏) ちゃんと仕事をしている社会人が読むと物足りなさを感じるかもしれません。昨年、「働かないの?働けないの?若年無業者について思うこと」と題した記事をあるウェブサイトに掲載したら、私のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の投稿欄が「炎上」しました。「俺たちはこんなに頑張っているのに、甘えすぎだ」という意見が大半です。ただ、投稿にはある傾向がみられました。地方で働く個人事業主らしき方からの意見が目立ったのです。

コメント27件コメント/レビュー

 東北地方の零細企業主です。 若さという財産を無駄にするな、というご意見がありましたが、まったくその通りだと思います。 それから運転免許の話、うちの会社に応募してくる若者のうち、免許をとらないのではなく、免許をとれない、とか、とるのにすごく時間がかかる、という子が一定数います。そういった能力の問題を目の当たりにして、暗い気持ちになると同時にこれは政治や教育の問題なんじゃないか、と思うようになりました。切り捨てるのは簡単だけど、富県だの富国とかいうなら底上げしないとだめなのではないでしょうか?(2014/10/15)

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 東北地方の零細企業主です。 若さという財産を無駄にするな、というご意見がありましたが、まったくその通りだと思います。 それから運転免許の話、うちの会社に応募してくる若者のうち、免許をとらないのではなく、免許をとれない、とか、とるのにすごく時間がかかる、という子が一定数います。そういった能力の問題を目の当たりにして、暗い気持ちになると同時にこれは政治や教育の問題なんじゃないか、と思うようになりました。切り捨てるのは簡単だけど、富県だの富国とかいうなら底上げしないとだめなのではないでしょうか?(2014/10/15)

工藤氏が言っているなかで,一番憂慮すべきは、地下鉄にのって感動する小中学生,弟や妹の世話しかしたことがない彼らが生まれてしまっている状況ではないだろうか。彼等は働けばお金を稼げるという知識すら無いのではないかと思えてしまう。親の問題とするのは簡単だがそれでは見も蓋もない。(2014/10/15)

人とのつながりが希薄になっていることが無業の原因だとすれば悲しいことです。だからといって企業側の考えからすれば、空白の履歴がある人を採用できるような勇気も余裕もない。工藤さんの提案は絵に描いた餅で企業にとって何のメリットもない。企業側の情に頼るしかない。情の薄い世の中。投稿をみても甘えという意見ばかりが目立つのは何故でしょうか。これは個人の問題で片付けられない社会問題です。(2014/10/15)

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三品 和広 神戸大学教授