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中国指導部は日中首脳会談の実現をどう捉えているのか?

2014年10月23日(木)

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 前回の「もし日中首脳会談が行われなかったとしたら」で言及したように、11月10~11日に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の前後まで、日中関係と日中首脳会談をテーマとして扱っていく。同首脳会談の実現可能性に対しては、日本国内で期待が高まっているだけでなく、国際社会も注目している。

 第2弾となる今回は、以下の2つのことを取り上げる。1つは、日中首脳会談をめぐる動きのアップデート。もう1つは、前回に問題提起した「日中首脳会談を通じてどんな問題を解決したいのか(動機)」に焦点を当て、いま、何のために日中両首脳が会談を行う必要があるのか考えてみたい。

程永華・中国大使が安倍発言を評価

 まずは日中情勢のアップデートである。

 中国外交部の秦剛報道官は10月20日、APEC非公式首脳会議を11月10~11日に北京で開催すること正式に発表した。習近平国家主席が出席し、会議の司会を務める。中国国内でもいよいよAPECをめぐる気運が高まってきている。

 筆者が注目した日中関係をめぐる動きは3つある。

 10月15日。程永華・駐日本中国大使が東京都内で講演し、「APECは重要なチャンスだ。“中日関係を改善し、健全で安定した友好の正常な軌道に戻そう”という中国側の考えは(日本側と)一緒だ」と述べた。加えて、安倍晋三首相が9月29日の所信表明演説で日中間に「安定的な友好関係を築いていく」と言及したことに触れ、「前向きな態度に留意している」と評価した。

 中国の対外政策における顔である大使が個人的な見解を公の場で述べることなどあり得ない。日中関係という中国外交にとって最大級に敏感な案件においては、なおさらだ。中国は、中国政府の立場を日本の国会・政府・市場・世論などに伝える程永華大使の役割を高度に重視していると筆者は思う。一方、日本政府も、中国指導部と意思疎通を図るための重要なパイプとして同大使を認識しているようだ。

 程永華大使の発言を受けて、中国政府が現在、対日関係という観点から考えていることを3つの側面から解読したい。

 一つは、日本側、特に安倍首相本人が日中関係の改善に向けて前向きな発言をした場合には、中国政府も歩み寄る意思があること。さらに日中首脳会談の実現に向けて具体的な折衝に臨む用意があるということだ。

 二つ目は、中国としても、対外政策という観点から日本との関係改善が必要だということ。中国は安倍首相が “無条件”で日中首脳会談を実現するよう中国側に求めていることをプレッシャーと感じている。日本の首脳との会談に中国が“条件”を付けていることをきっかけに、国際的に非難を浴びることを、言い換えれば、日本との関係改善に後ろ向きなことが引き金となり、他国・他地域からの不信感を誘発することを懸念している。ただでさえ台頭のプロセスが不透明で、国際社会からも警戒される状況下で、さらなる不信感が高まる事態は中国の対外政策にとってリスクになるからだ。

 三つ目は、日本との経済貿易関係、日本からの対中直接投資(今年上半期は前年度比で約半分減っている)が一層冷え込むことを、中国側が懸念していることだ。日本の投資減少が他の国との貿易や他の国からの直接投資にもドミノ倒し的に悪影響を及ぼすことを心配している。

 中国国家統計局が10月21日に公表した7~9月期の実質GDP(国内総生産)の速報値は前年同期比7.3%増で、4~6月期と比べ0.2ポイント鈍化した。リーマン・ショック後の09年1~3月期(6.6%増)以来、5年半ぶりの低水準となっている 。

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「中国指導部は日中首脳会談の実現をどう捉えているのか?」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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