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イギリスとスコットランドはこれからどうなる?

「民主主義の刷新」、それでもくすぶる対立の火種

  • 山崎幹根

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2014年10月30日(木)

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山崎幹根(やまざき・みきね)
 北海道大学公共政策大学院教授。1967年生まれ。北海道大学大学院法学研究科助教授を等経て、07年より教授、現在に至る。博士(法学、北海道大学)。主な著書に『「領域」をめぐる分権と統合 スコットランドから考える』(岩波書店、2011年)など。
投票日前日にグラスゴー中心部に集まる、独立賛成派の人々

 今年の9月、スコットランドで行われたイギリスからの独立を問う住民投票は、反対が多数を占め、連合王国の分断という事態はひとまず回避された。

 住民投票に至る経緯を振り返ってみれば、地域における自己決定権の確立を、言い換えれば、「民主主義の刷新」を目指した運動であった点に最大の特徴がある。スコットランド議会で政権党である地域政党のSNP(スコットランド国民党)を中心とした独立賛成派の主要勢力は「ナショナリスト」と呼ばれるが、スコットランド人はエスニック・マイノリティではないし、イギリス政府に文化、言語、宗教の次元で抑圧されているわけではない。

 今回の住民投票は、いわゆる「民族自立」の運動ではないこと、さらに、従来のSNP支持者や独立論者をこえた広範な市民の共鳴があったからこそ、45%もの独立賛成票が集まったことに留意しなければならない。

平行線をたどった両派の主張

 ここで改めて両派のキャンペーン合戦を概観すると、賛成派は不特定多数の人々に積極的に働きかける草の根運動を至るところで展開したのに対し、反対派はサイレント・マジョリティを固めるとともに、メディア報道を通じて独立に伴うリスクや不確実性を訴える戦略を行使した。

 一方、双方の主張はかみ合わず、「水掛け論」に終わったきらいがある。

 最大の争点であった通貨政策をめぐる論争に関して、賛成派は、「独立後のスコットランドがイギリスととともに、ポンドを引き続き使用する通貨同盟が両国にとって経済的な安定を確保できる最善の方法だ」と主張した。これに対して、独立反対を唱える保守党・自由民主党、そして労働党は、独立後のスコットランドとのポンドの共同使用というアイデアを一様に拒絶した。

 通貨とともに大きな争点となったのは、北海油田から産出される石油・ガスから得られる税収の見通しであった。

 賛成派は、「いままでイギリス政府が得てきた北海油田の税収とスコットランドに配分された公共支出額が釣り合っていない」と批判、北海油田の税収のほとんどがスコットランドの独自財源になれば、独立後のスコットランド市民は、年間1000ポンド(約17万円)※1 の恩恵があると主張するとともに、法人税の減額を公約に掲げた。

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