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パナソニック「院政」はあったのか

津賀社長プラズマ撤退への周到な準備と第2の創業

2014年10月28日(火)

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津賀一宏社長(写真:村田和聡、以下同じ)

 大胆なリストラの断行により、パナソニックを「普通の会社」に戻す目処はついた。社長就任から2年余りで津賀一宏は、1兆5000億円余りの赤字を出した危機的状況を取りあえず切り抜けた。問題は、その先である。

 論理的に思考する津賀の経営は、定石通りと言ってよい。先立つものはカネである。まずは「止血」で、不採算事業から撤退し、不要な事業や遊休資産を売却する。設備投資もばっさり削り、財務内容を改善して、債券の格付けを上げる。こうして社債発行を可能にして資金を調達し、成長のための投資をするという段取りで進めてきた。

クールな表情の下に秘められた野心

 実務的な筋書きで飛躍はないが、津賀はクールな表情の下に野心を秘めている。「クロスバリュー・イノベーション2015」と銘打つ期間3年の中期経営計画を昨春発表した時、こう述べている。「パナソニックは世界に例のないユニークな会社として復活しなければなりません」と。

 2013年3月期に無配にして、復配が当面の課題だった時である。特に気に留めなかった。しかしこれまでの言動を振り返ると、「普通の会社」で満足するような人間でないことがわかる。

 社長就任時の社内誌のインタビューで「(松下幸之助創業者に)『第2の創業にチャレンジされますか』をおうかがいしたいですね」と答えている。「経営の神様」の異名をとった松下幸之助だが、その時代の旧松下電器産業は「今ほど巨大な組織」ではなかった。もし幸之助ならば、現在のパナソニックをどう経営するのだろうか。

 「ここまで組織が大きいと、どうすれば『本日創業』の気概でチャレンジできるのだろうかと感じることもあります」。「もし創業者が今おられたら、どう感じ、どう行動されるのだろうかを聞いてみたい」という。

 松下幸之助は1933年に独自に「事業部制」を創始して会社を大きく発展させた。さらに終戦後の逆境を乗り越えて、高度成長期に耐久消費財ブームを巻き起こして「家電王国」を築いた。津賀は「事業部制」を復活したが、先祖返りを目論んだわけではない。パナソニックを一から作り変えようとしている。まだ具体的には見えないが、もし「世界に例のない…」が実現すれば、すなわち「第2の創業」である。

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「パナソニック「院政」はあったのか」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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