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地方再生に寄与するトリガー条項の発動

2014年10月28日(火)

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 ガソリン価格が一定以上の水準で推移した場合に自動的に税率を下げる「トリガー条項」は、東日本大震災の復興財源の確保に支障をきたすとして発動は凍結されている。

 そもそもトリガー条項とは、総務省が発表する小売物価統計調査において、ガソリンの平均価格が3カ月連続で1リットル160円を超えた場合、揮発油税の上乗せ税率分である25.1円の課税を停止するというものである。そして、停止後に3カ月連続でガソリンの平均価格が1リットル130円を下回った場合に、課税停止が解除される仕組みになっている。

 導入の背景には、2009年の衆院選で民主党が政権公約の一つにガソリン税等の暫定税率廃止を掲げたことがある。その後、政権与党となった民主党は、財源不足から暫定税率廃止を見送らざるを得なくなり、その代わりの燃料価格高騰対策として2010年に「所得税法等の一部を改正する法律」を成立させ、トリガー条項が盛り込まれた。

 しかし、2011年に発生した東日本大震災を受けて、適用されると復興財源となる税収を大幅に減らし、被災地でのガソリン不足を引き起こす可能性があるとして、トリガー条項は2011年4月27日から凍結されている。

 ただ、アベノミクスの効果が地方や中小企業にまで十分波及する前に、消費増税に加えガソリン価格の高騰が続けば、日本経済の足を引っ張りかねない。このまま価格高騰が続けば、発動を求める声がさらに高まる可能性がある。

トリガー条項1年発動は1.8兆円の減税効果

 仮にトリガー条項が凍結されていなければ、今年7月から発動される状況にまでガソリン価格は上昇している。

 仮にトリガー条項が発動されれば、様々な税目を通じて税収に影響を及ぼす。資料1は、2014年度予算をもとにトリガー条項が年間を通じて発動された場合の影響を示したものである。

 まずトリガー条項の発動は、ガソリンに課せられる揮発油税と地方揮発油税をそれぞれ1リットル24.3円、0.8円引き下げる。そして、トータル25.1円のカソリン値下げを通じて、国税を約1.3兆円、地方税を400億円程度それぞれ減らすことになる。またトリガー条項の発動は、軽油引取税の1リットル17.1円引き下げを通じて地方税を0.5兆円程度抑える。

 以上より、トリガー条項が1年間発動されれば、2014年度予算を基にすれば、国・地方分を合計して1.8兆円以上の減税効果があることになる。

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「地方再生に寄与するトリガー条項の発動」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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