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「次の消費増税は1年以上延期」という予想の根拠

2014年10月28日(火)

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 2015年10月に予定されている8%から10%への消費税率引き上げ。安倍首相は12月上旬に下す政治判断でこれを少なくとも1年は延期するだろうと、筆者は以前から予想している。

 エコノミストの中でそう予想している向きは依然としてごく少数だが、この予想を補強する材料がこのところ増えている。政府・与党内の増税延期派の主張内容や、歳末商戦への悪影響を避けてほしいという小売業界の声を考慮すると、17年4月まで1年半の増税延期が最も可能性が高いシナリオになる。

 政治と経済という2つの面から、筆者のそうした予想の根拠を整理してみよう。

15年中の選挙でしくじると憲法改正が遠のく

(1)政治面 ~ 国政選挙2つを含む今後の政治スケジュールとのかね合い

■16年7月の参院選は、15年10月の増税予定時期から1年未満というタイミングである。また、衆院の解散総選挙は16年12月の任期満了よりも前に行われる可能性が高い(近年のパターンから考えると16年春が有力か)。

 増税を予定通り15年10月に実施した結果、景気が大幅に悪化すると、選挙で自民党の議席が減り、安倍首相の政治家としての宿願である「憲法改正」の実現が遠のいてしまう恐れがある。

■直近の世論調査では、増税の延期・中止を求める声が7割前後に達している。不人気な政策を強行する場合には内閣支持率が低下して、選挙結果にも当然、悪影響が出てくる。

■公明党が主張する軽減税率の導入が難航している。集団的自衛権の行使容認問題で同党は自民党に譲った形になっており、15年4月の統一地方選など一連の選挙を控え、軽減税率の問題では妥協できる余地は限られるというのが一般的な見方である。

 そうした中、10%への消費増税自体を延期して、軽減税率導入問題の決着を一連の選挙の後まで先送りする案が浮上しやすいという見方ができる(当コラム8月19日配信「次回消費税率引き上げに『先送り論』」参照)。

■増税を延期するには、国会での法改正が必要になる。野党が攻勢に出て1月召集の通常国会が「消費税国会」と化してしまい、安倍内閣は多大な政治的エネルギーを使わざるを得なくなることが増税延期の障害だ、という指摘が聞かれる。関連するものも含め数多くの法律改正が必要というのはその通りだろう。

 だが、野党のほとんどが予定通りの税率引き上げに反対していることは見逃せない。最大野党である民主党はマスコミ報道で「態度未定」と形容されたりしているが、海江田万里代表が述べているように、①経済環境整備、②社会保障充実、③国会議員定数削減という3つの条件が満たされない場合には、3党合意の当事者であるにもかかわらず、予定通りの増税に反対する姿勢である(上記のうち①は結局のところ安倍内閣の姿勢と共通している)。

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「「次の消費増税は1年以上延期」という予想の根拠」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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