• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

社外取締役は「里山」、有効活用を

「女性を入れた」と取り繕うより機能を重視すべき

2014年10月29日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 現在、ミドルの仕事と関わりのあるコーポレート・ガバナンスの重要な課題は大別して2つだ。1つは、自社とそのグループ傘下の企業との間の関係である。子会社が言うことを聞かなくて管理ができない、などと子会社管理の問題に矮小化されている悩みの本質は、親会社が株主としてガバナンス機能を発揮する能力に乏しいというところにある。ここまで2回ほど、その典型例をM&Aが失敗するケースに求めてみてきた。

 もう1つは、こちらの方がコーポレート・ガバナンスとしてはイメージしやすいかもしれないが、自社と株主をはじめとする利害関係者との関係である。今回からは話題をこちらに移そう。自分の会社は、自らの株主にどのように向き合っているのだろうか? これも、M&Aをキーワードにまずは見てみよう。

M&Aは経営者の野心を満たす道具?

 決算説明の発表などで、こうした発表に出くわす経験はないだろうか。中期経営計画における売り上げ予測を示す棒グラフ。最終年度だけ非連続に伸びている。その部分については「海外でM&Aによる成長を目指します」。しかし、「内容についてはまだ決まっていません」。

 これほど投資家を馬鹿にした説明もないものだと思うが、日本ではこれで株価が上がったりすることもあるので侮れない。もちろん、中には頭の中でじっくり長期的なデザインを描き、競合との関係も熟慮したうえで情報開示の手法に気を使っている名経営者も多くいる。専業であれば、分野も定まっているのでより分かりやすいだろう。だが、そういう場合にはたいてい、今後の戦略ストーリーについて投資家もアナリストも共有できている。戦略の方向性がはっきりしていれば、別に細かいオペレーションについて説明してもらう必要はない。

 困るのは、「何も決まっていない」と言って、本当に何も決まっていない場合だ。投資家としては、そんな迷経営者に無条件で資金を預けておく気にはならない。使わないならぜひ速やかに還元を。だが、こういう経営者に限って、心の中では「自分の会社、自分のカネ」と思っているので“他人”になどには渡したくない。だから、資金を手元に置いておくためにM&Aという資金使途を隠れ蓑に使う。M&A用と称される余剰資金がうずたかく積まれ、時にそれは猛然と浪費される。

 別の言い方をすれば、M&Aは経営者の野心を満たすために使われがちである。とにかく中期経営計画を達成して、迷経営者から名経営者に脱皮を果たしたい。未達の責任を取るなんてまっぴら御免だ。花道を飾るために、とにかくトップラインを上げよう。既存事業には頼れないので、ではM&Aだ――そして死屍累々の失敗案件の山が築かれる。

コメント0

「みんなのコーポレートガバナンス」のバックナンバー

一覧

「社外取締役は「里山」、有効活用を」の著者

松田 千恵子

松田 千恵子(まつだ・ちえこ)

首都大学東京大学院教授

1987年東京外国語大学外国語学部卒業。2001年仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院修士。日本長期信用銀行、ムーディーズジャパンを経て、コーポレイトディレクションなどでパートナーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック