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「中国嫌い」になるワケを身をもって知る

システムと個人の相互不信【前】

2014年10月31日(金)

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 北京、上海の病院関係者と友人になった縁で、病院内を見学させてもらうことになったのだが、北京市内の大病院の入り口に到着したところ、のっけから驚いてしまった。

 「問診部」と書かれた外来の玄関の両脇に、たくさんのふとんや段ボール、小型の椅子、ボストンバックなどが置かれ、そこに(つまりコンクリートの地面に)大勢の人が座ったり横たわったりしていたのだ。

「こ、これは一体何なの? あっ、農村から出てきたのに診療してもらえないで待っている人たちの列?」

 友人に聞いてみると、「そういう人たちと、入院患者の家族たちの両方だ」という。中国も日本同様、完全看護であり、家族が病室で寝泊まりできない決まりになっているが、地方の農村などから患者に付き添ってきた家族は長期間ホテルに泊まるお金がない。しかし、帰ることもできず、こうして病院の玄関にふとんや段ボールを敷いて、面会以外の時間を過ごしているのだという。

 一方、毎朝発行される整理券をもらいそこねた患者は、医者に直談判すると数枚だけ追加の整理券を発行してもらえる仕組み(というか、ごり押しが可能)になっているため、誰かに先を越されまいと玄関先でずっと待っているのだ。そして夜は雨風を避けるため病院内のホールに入り、ふとんを敷いて過ごしているとか…。

他人の診察中に、医師を取り囲む?

 診察室や入院病棟もくまなく見せてもらったが、日本とのあまりの違いに驚いた。

 ある意味、恐ろしいほどに「オープン」なのである。

 6人部屋の病室のカーテンは常に空けっぱなしだ。患者同士がしっかり“情報交換”するためで、患者は「自分だけ騙されていないか」「自分は同じ病状の他の患者と同じ治療をちゃんとしてもらっているか」、他の患者やその家族らとつねにコミュニケーションを取っているのだという。ひとたび入院すれば、患者同士は全員が知り合い。何かあれば一致結束して医者を問い詰めるというのだ。

 日本では1人の診察が終わると次の患者が呼ばれ、常にひとりの患者だけが中に入っていくのが普通だ。何を当たり前のことを、と言わないでほしい。が中国では(少なくとも北京で私が確認した複数の病院では)診察室のドアは常に空いている。中には患者と医者だけでなく、順番を抜かされないようにと待っている次の患者やその家族たちが大勢いて、みんなで医者を取り囲み、その言動を見守っている。

 名前は明かせないが、ここは北京でも有名な大病院だ。患者の評判もいいという。北京郊外から大勢の患者もやってくる。そんな「いい病院」でも、こうした風景は日常茶飯事だと聞いて、私はめまいがしそうになった。

 これはまさに、よく日本のメディアで面白おかしく取り上げられ批判されている「とんでもない中国」そのものじゃないか! 具合が悪くて病院に行くというのに、そんなに病院を信用できないなんて……。私はすっかり毒気に当てられてしまった。

 そうかと思えば、別の日にはまったく違う驚きがあった。

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「「中国嫌い」になるワケを身をもって知る」の著者

中島 恵

中島 恵(なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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