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原油価格下落のプラスとマイナス

様変わりする原油を巡る経済観と市場観

2014年11月4日(火)

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 先月15日の米国市場ではダウが一時460ドル超の下落となり、米国長期金利は1.86%まで急低下、ドル円も105円割れ寸前まで下落して、日本株市場をも揺さぶった。だが、英米金融当局者による緩和継続を示唆する発言や米企業の好調な決算および堅調な米国経済指標などに支えられ、根強い下値拾いの動きに市場はひとまず落ち着きを取り戻している。

 だが、秋以降の世界の金融市場が不安定化してきたのは確かである。世界経済の失速懸念やエボラ熱感染拡大、不透明な地政学リスクなど嫌なムードは払拭されておらず、金融緩和に染まった楽観が剥げ落ちれば、再び市場を株価急落のショックが襲う可能性は残っている。不動産市況の悪化がもたらす中国の成長鈍化など、「リスク・シナリオ」を演出しかねない材料もある。

 ドイツ経済も市場の期待を裏切った。経常黒字や低失業率に加えて財政余力もある同国が景気刺激策を出動しないことに対し、南欧諸国だけでなく米国も強い不満を示している。だが、来年の財政収支黒字化ないしは均衡(いわゆる「ブラック・ゼロ」)という歴史的な偉業達成を最優先に置いている同国政権に、まだ妥協の姿勢は見られない。

 日本に関しても、為替相場に関する官邸と日銀の言い分が食い違うなど、一枚岩の印象が薄れてきている。景気の失速感が目立ってきた中、第二次政権の目玉であった女性大臣が相次いで辞職という逆風も吹き始めており、安倍首相の消費税増税判断もかなり難しくなってきた。海外勢は、懸念リストに日本を加えることを考え始めるかもしれない。

他国と比べ堅調続く米国経済

 もっとも、先月述べたように、堅調に推移している米国の内需が急速に崩れる可能性は乏しい。ドイツが景気後退に陥ったとしても、中国が7%成長へとペースダウンしても、立ち直り始めた米国経済に与える影響は恐らく軽微だろう。利上げを巡る議論が市場を揺さぶることは今後も何度もあるだろうが、その過程で金融緩和への過大な依存度が少しずつ剥げ落ちることになれば、それはむしろ市場正常化への良い兆候である。

 米国経済への評価は飽くまで他国や他地域との比較論に過ぎないが、それでも雇用・住宅・製造業は着実に改善しており、株価のブレが続くにしても、来年半ばの利上げが先送りされることはないだろう。

 但し、気になるのが原油価格動向だ。ここ数カ月で約25%も下落した原油価格の動向は、明らかに需給の崩れを懸念したものである。通常、原油価格の低下は消費国である先進国をはじめとして世界的景気動向にとってプラスであるが、産油国の財政にとってはマイナスだ。そして昨今では、それが米国経済の一部にとってもマイナスになり得ることが指摘され始めている。

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「原油価格下落のプラスとマイナス」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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