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献体が増加する哀しい理由

「葬儀代を浮かすため」はNG

2014年11月4日(火)

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 「オレの身体を、今すぐ解剖に使ってくれ」──。タクシーで都内の医科大学に乗り付けた男性は、「自分は献体を希望しているのだ」と主張して取り付く島がない。献体とは大学医学部の解剖実習のため、死後、自らの身体を捧げることである。

 対応した医師が「でもあなた、まだ生きているでしょ」と諭すと、「ならばここで自殺する」と譲らない。困り果てた医師が時間を掛けて説得すると、男性はようやく諦めて帰っていった。

「献体」を収容できない

 近年、献体の数が増えている。30年前、1984年に実施した全国の大学での解剖数は3293件。このうち篤志による献体は1528件で半数にも満たなかった。当時、解剖実習に使われる遺体の多くは警察から提供を受けた身元不明の死体だった。

 しかしここ数年、故人の遺志で献体を申し出るケースが飛躍的に増えてきた。2012年度は解剖数3728件に対し献体数は3639件(献体比率97.6%)。献体でほぼすべての解剖実習を賄えるようになっている。

 冒頭の事例は、実は昨今の”献体ラッシュ”を象徴するような出来事と言える。

 大学側から積極的に献体を呼びかけるような広報・宣伝活動はほとんど実施していない。基礎医学を支える献体の世界に何が起きているというのか。

コメント5件コメント/レビュー

近しい分野に居るのに全く知らないことでした。ただただ驚きと7割くらいの納得、3割くらいの違和感です。違和感の正体は自分でもよくわかりません。記者さん、僧侶の方なのですね。対露や芸術、教育などバイタリティ溢れるようですが、この知られざる分野にチャレンジできる稀有な存在では?データも踏まえてもう少し掘り下げてほしいです。すごい社会的インパクトですし、現代社会の改善点のヒントもたくさんあるのでは。(2014/11/06)

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「献体が増加する哀しい理由」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

近しい分野に居るのに全く知らないことでした。ただただ驚きと7割くらいの納得、3割くらいの違和感です。違和感の正体は自分でもよくわかりません。記者さん、僧侶の方なのですね。対露や芸術、教育などバイタリティ溢れるようですが、この知られざる分野にチャレンジできる稀有な存在では?データも踏まえてもう少し掘り下げてほしいです。すごい社会的インパクトですし、現代社会の改善点のヒントもたくさんあるのでは。(2014/11/06)

散骨の方にはなぜ行かないのかな。山での散骨は地主さんの関係などがアレだけど、海洋散骨はもっと普及しても良いと思います。今後は墓の維持も問題になって来ますからねぇ。(2014/11/05)

献体数は足りないという固定概念しかなかったので、レポート内容は個人的には驚きです。本文にもあるとおり、現代社会の問題点がこういった場面にも表れているのかと思い考えさせられます。善意に解釈すれば、近隣に身寄りもなく、自分の死後の始末で他人に迷惑をかけるくらいなら、献体の意思表示をすることで、結果として医学教育に貢献するという動機も理解できるような気がします。臓器提供の意思表示を含め、個人の死生観や宗教観に係わる意見統一が難しい問題だと思います。(2014/11/05)

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三品 和広 神戸大学教授