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今後確実に数年間はつづくイスラム国とオバマの戦争

2014年11月7日(金)

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 米国が再び対テロ戦争に乗り出した。今度の敵はイラクとシリアにまたがる広大な地域を支配下に置き、カリフ制国家の樹立を宣言したイスラム国。イスラム教スンニ派の一過激派集団が巨大な軍団に成長し、中東のど真ん中に国家を樹立したことで、中東の秩序が激しく揺れている。オバマ政権は国際有志連合を率いてイスラム国壊滅のための軍事作戦を開始したが、空爆だけでは大きな効果を挙げることができず、シリア情勢はますます混乱の様相を呈している。イスラム国の出現は、もともと矛盾に満ちた中東秩序を破壊させる起爆力を秘めているのか?米国は再び泥沼の地上戦に引きずり込まれるのか?イスラム国とオバマの新しい戦争の行方を追う。

 「イスラム国」に関する話題が連日メディアを賑わせている。「イラクで部族の住民200名以上を殺害」「シーア派教徒600名を惨殺」など、イスラム国の残忍な手口やその攻勢を伝える報道が圧倒的に多い。また世界中の若者たちがイスラム国に惹かれてシリアに渡る現象や、「シリア帰り」の若者たちが自国でテロを起こす危険性に関する懸念が強まっている。

「なぜイスラム国がこれほどの力を持ち得るのか」「米国を中心とする有志連合はこの過激派集団を打倒することができるのか」…。本連載では、イスラム国とオバマの新しい「対テロ戦争」の背景や最新動向を伝え、このイスラム国現象を様々な角度から掘り下げていきたい。

「イスラム国壊滅」を目標に掲げるオバマ政権

 すでに知られているように、イスラム国はシリアとイラクをまたがる広大な地域を支配下におき、この地域を自分たちの国家として統治していく意思を明らかにしている。

 オバマ大統領は、9月10日にそんなイスラム国に対する軍事作戦の基本戦略を発表しているのだが、その中で、「我々の目的は、ISILを弱体化させ、最終的に壊滅させることだ」と述べている。米政府はイスラム国を「国家」としては認めていないぞ、という姿勢を鮮明にするために「イスラム国」という呼称は使わずに、あえて「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」という古い名称を使い続けている。「あれは国などではなく単なるならず者集団のテロ組織に過ぎないのだ」というのが米政府の立場である。

 しかし本連載では、紛らわしいので、すでに世界中のメディアで一般的に使われるようになっている「イスラム国」という呼称で統一することにする。さて、オバマ政権はそのイスラム国の壊滅を目標にして軍事作戦を開始した。ということは、イスラム国を壊滅させるまで、軍事作戦は続くと考えるべきである。

 そしてこの目標を達成するために、以下の4つの方法をとると述べている。

  1. イスラム国の拠点に対して空爆を行う。
  2. 地上でイスラム国と戦う部隊に対する支援を行う。
  3. イスラム国の資金源を断ち、彼らのイデオロギーに対抗する宣伝戦を行い、シリアやイラクに渡ってイスラム国に加わろうとするジハード主義者の流れを止める等、包括的な対イスラム国作戦を行う。
  4. イスラム国によって追われた無実の人々に対する人道支援を行う。

 一つ目の「空爆」は、戦闘機で爆弾を落としたり、ミサイルを撃ち込んだり、攻撃型の無人機からミサイルを撃ち込んだりする攻撃のことを意味する。地上の目標を破壊する映像等をニュース等で見たことのある読者もいるだろう。

 しかしこれまで米軍が攻撃した標的の多くは、イスラム国が持つ車両や戦車、検問所や監視ポスト、砲台、訓練キャンプなどがほとんどである。これらは上空から見て分かる目標だから空爆で破壊することができる。しかし都市部で民間人に混ざって活動している多くのイスラム国の戦闘員や、民家の中にあるイスラム国の指揮所などは、上から衛星や無人偵察機で見てもなかなか分からない。現代では誤爆で多くの民間人死傷者を出すことが政治的に受け入れられないので、米国は都市部での空爆はあまり出来ずにいる。

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「今後確実に数年間はつづくイスラム国とオバマの戦争」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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