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解散総選挙への引き金引いた税制

わかりやすい理屈に潜むワナ

2014年11月14日(金)

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 衆院解散・総選挙という突然の暴風の元が消費税であることは、もはや日本全国津々浦々知らぬ人もない。

 今年4月、8%に引き上げたばかりの消費税を来年秋、10%に再引き上げするかどうかは、景気腰折れへの恐れという一点を通して政権の命運を左右しかねない大問題となった。

 だが、今実施すれば景気の腰を折る増税が、よく言われるように1年半後なら腰を折らないという論法は、どこかおかしい。「今は体温が下がっているから、うちわであおぐと風邪を引く。だから、うちわを使うのは体温が上がってから」というわけだろうが、それなら体温が下がった体に経済対策などの服を着せればいいことになる。

 本当に風邪を引いた時にやろうというわけではないから、それで十分だろうし、体温が上がった折ならいいというのなら、それはうちわのせいではなくて体温の問題ということになる。大体が、経済の体温が上がった時は、税収も自然に増えるから、そこでさらに増税ができるのか、という問題にもなる。

外形標準課税拡大に潜む難題

 「今、増税をなんとしてもすべし」という論法を展開しようというわけではない。事ほど左様にわかりやすい理屈には、誤解が混じるというのである。消費税のおかげで、何となく目立たなくなっているが、今、永田町と霞が関では法人税の引き下げ議論も一応続いている。しかし、そこでも「わかりやすい理屈」への不安がある。

 例えば、外形標準課税。といっても、なかなかなじみがないだろうが、通常の税が利益に対してかけるのに対して、こちらは企業が生み出す付加価値など「事業の規模」に課税するというものだ。企業は皆、地域から様々な行政サービスを受けているから、そこに必要な経費を“みんなで”分担しようというわけだ。

 当然、赤字であっても負担をするから、欠損企業も「みんな」の中に入り、公平に分担することになる。企業の7割が欠損状態で法人税を納付しておらず、逃げ得になっている不公平感を解消できるというわけだ。

 日本では、小泉純一郎政権時代の2004年4月に地方税でもある法人事業税の一部に取り入れられている。至極わかりやすいせいか、大きな議論にもならないまま導入されたが、これが今回の法人税引き下げの重要な鍵になろうとしている。

 もう一度説明してみよう。対象は、当初から資本金1億円超の企業に限っている。「大企業」だけが対象なのである。そして、税を所得(利益など)にかける通常の部分と、従業員の給与や支払利子、家賃などの総額といった「事業規模(付加価値)」を基準にかける部分で算出する仕組みだ。

 今回の改革では、法人事業税に占めるその割合を現在の4分の1から2分の1、あるいは8分の5にすることを検討しているという。

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「解散総選挙への引き金引いた税制」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官