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「安楽死・尊厳死」と「医療費圧縮」がリンクする怖さ

2014年11月18日(火)

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尊厳死に9割が賛成

 オレゴン州に住む29歳のアメリカ人女性、末期の脳腫瘍と診断されたブリタニー・メイナードさんが命を絶ったのは、11月1日。投与された薬を飲んでこの日に死にますと前もって宣言した映像は、日本のテレビでも繰り返し放送された。法的に安楽死を認めるか否かが州ごとに分かれているアメリカでは彼女の判断に対して様々な議論が巻き起こっているようだが、日本のメディアは、この女性が宣言して亡くなるまでの経緯のみを伝えた。

 彼女が亡くなった後に「週刊文春」が読者に対して行なった「安楽死・尊厳死」についてのアンケート結果に驚いた。「安楽死」「尊厳死」の両方かいずれかに賛成する人はなんと87.4%、両方に反対するのはわずか10.2%だった。アンケート企画自体がブリタニーさんの一件から導かれたものであるとはいえ、少なくとも尊厳死について、約9割もの人が賛成しているとの結果が出た。

「お涙頂戴」として処理されていたのでは

 極めて大雑把に分けると、自殺幇助による死を「安楽死」、延命治療の中止による死を「尊厳死」と呼ぶが、ブリタニーさんは医師が薬物を処方して恣意的に死に至らせたから「安楽死」。テレビ報道では、この区分けすら丁寧にされずに、「余命幾ばくかの人が自ら死を選んだ」という事実をセンセーショナルに伝えていた。

 「愛する友人たち、そして家族の皆さん、さようなら」と言い残し、家族に見守られながら逝ったブリタニーさん、彼女の判断に対する善し悪しではなく、ひとまず言えるのは、この案件を伝える報道には明らかに状況説明が足りていなかった、ということ。彼女は脳腫瘍の中でも最も悪性な神経膠芽腫を患っていたが、その詳細を伝えるでもなく、ただただ「自ら死を選んだ」と簡略化することで、ひとつの「お涙頂戴」として処理されていたように感じた。

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「「安楽死・尊厳死」と「医療費圧縮」がリンクする怖さ」の著者

武田 砂鉄

武田 砂鉄(たけだ・さてつ)

ライター/編集者

1982年生まれ。2014年9月、出版社勤務を経てフリーへ。ネット、雑誌で芸能人評や文化論、音楽、時事コラムを執筆中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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