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「夢の原子炉」がトラブルを繰り返すワケ

1兆円国家プロジェクトの迷走

2014年11月18日(火)

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 様々な組織の不祥事を取材しているが、約20年間にわたってトラブル続きという事例は、ほかに記憶にない。日本原子力研究開発機構が管理運営する、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」のことだ。

 原子力安全委員会の委員長などを歴任した松浦祥次郎氏は昨年6月、原子力機構の理事長に就任し、組織の改革を任された。着任するや、「もんじゅの稼働が長く停止している間に問題が蓄積されていき、目の前に大きく横たわっていると感じた」と言う。

「もんじゅの改革をやり遂げる」と言う、日本原子力研究開発機構の松浦祥次郎理事長

約20年前の火災がトラブルの「出発点」

 もんじゅが発電を開始したのは1995年8月である。それから間もない同年12月、冷却に使うナトリウムが漏れ、火災を起こす。事故後、虚偽報告や情報隠しが明るみに出るなど、トラブルの連鎖が始まった。

 再発防止に向けた組織改革と改良工事、点検を経て、地元自治体から運転再開の同意を得たのは、事故から15年後の2010年4月だ。しかし同年8月に、今度は燃料交換装置が炉内に落下する。復旧作業が完了した直後の2012年11月には、大量の機器で点検漏れが発覚し、原子力規制委員会から運転再開準備の禁止命令を受けた。

 高速増殖炉は、原子力発電所で燃え残った燃料を再利用する「核燃料サイクル」構想の中核だ。ウランの輸入に頼らず、原子力エネルギーの生産を日本国内だけで完結できるようになることから、「夢の原子炉」と呼ばれてきた。

 しかし約1兆円の国家予算を投じたにもかかわらず、トラブルが相次いだ結果、これまでもんじゅは安定稼働した実績がほとんどない。

コメント10件コメント/レビュー

「どの企業でも起こり得る」と見たのでそれは違う。民間企業では開発プロジェクトでも収支を考え、費用が回収できないなら事業を止める。親方日の丸の 収支を度外視の事業では有り得る。責任者が居ない官僚システムに大問題がある。ナトリウム熱媒は漏れさえすれば容易に発火する。水素を使うプラントでは不可避の水素漏れは常時燃やすがナトリウムはそれができない。研究探索は可能性があればトライする事は良い。開発では金額収支とその一面であるスケジュールは 常に実現性を見直し続けるものである。実現性がなければ 民間企業なら止める。親方日の丸の無責任な官僚システムではこうなる。(2014/11/18)

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「「夢の原子炉」がトラブルを繰り返すワケ」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「どの企業でも起こり得る」と見たのでそれは違う。民間企業では開発プロジェクトでも収支を考え、費用が回収できないなら事業を止める。親方日の丸の 収支を度外視の事業では有り得る。責任者が居ない官僚システムに大問題がある。ナトリウム熱媒は漏れさえすれば容易に発火する。水素を使うプラントでは不可避の水素漏れは常時燃やすがナトリウムはそれができない。研究探索は可能性があればトライする事は良い。開発では金額収支とその一面であるスケジュールは 常に実現性を見直し続けるものである。実現性がなければ 民間企業なら止める。親方日の丸の無責任な官僚システムではこうなる。(2014/11/18)

●トラブルの連鎖というが、真にトラブルがトラブルを呼んだと思われる事態はほとんどない様に感じる(嘘の連鎖は存在している)。●ここで書かれたトラブルは、日本の原子力開発の企画段階から潜在的・先天的に抱えていた組織的問題や技術的問題が時が経って次々と露呈した事象と考えるべき。●国の大方針の前に高速増殖炉は不可欠であり、安定稼働などできないことを承知の上で生きながらえさせているというのが現状でしょう。●ここに至って「放射性廃棄物を減らす技術の研究」という新しい題目を据えたのも、更なる延命措置とみています。(2014/11/18)

JR北海道との比較は無理がありすぎ。(2014/11/18)

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