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「義」もなく「利」もない解散・総選挙

第1次内閣の教訓を思い出せ

2014年11月20日(木)

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 「増税先送りなら解散」と題する記事を読売新聞が掲載したのは11月9日のことでした 。その後「増税先送り・解散」観測は燎原の火のごとく広がり、11月18日に安倍晋三首相は増税先送りと解散を発表しました。

 この決断は「危険な賭け」と思われます。「野党の準備ができていない今、総選挙で大勝すれば今後の政局運営に弾みがつく」との見方もありますが、逆に想定以上に議席を減らして安倍首相の政治基盤が揺らぐリスクもあります。今回は増税先送りと解散・総選挙について考えてみます。

安倍首相の決断

 増税先送りと解散・総選挙に関して安倍首相が決定した内容は以下の通りです。

  • 8%から10%への消費税率引き上げの時期を2015年10月から17年4月に先送り。
  • 2017年4月の税率引き上げに伴って軽減税率を検討。また景気条項(経済状況を踏まえた増税の可否の判断を認める条項)は廃止する。
  • 衆議院を解散。

 消費税率引き上げを先送りしたからといって総選挙を行う必要はありません。元々今回の税率引き上げについては2012年に3党合意で消費増税を決定した際に景気条項が付けられており、景気の弱さを理由とした税率引き上げの見送り(先送り)は認められたものです。

 法改正は必要ですが、与党が衆参両院で多数を占めている以上、これも問題はありません。にもかかわらずあえて解散する理由については「税率引き上げ先送りは重大な方針変更であるため、国民の信を問う」と解説されています。

解散・総選挙は危険な賭けか

 現在衆議院では自民が295議席、公明が31議席、合計で326議席と全480議席の3分の2を超える議席を保有しており(時事通信調べ)、任期も2年残っています。また一時より低下したとはいえ内閣支持率は50%前後とまだ高く、政局運営にこれ以上は望めない状況です。こうした状況で自ら解散・総選挙に打って出ることは通常ありません。

 もし解散すれば、過半数割れはあり得ないにしても、議席を減らすことはほぼ確実です。2012年の総選挙では当時の与党民主党に対して不満を持つ有権者の票が自民党に集中したことが追い風になり、自民党は大きく議席を伸ばしました。しかし今回はそこまでの追い風は望めず、まずその分議席を減らすことになります。

 また前回は自公以外の野党(及び民主党)がバラバラに戦い票を食い合ったことも自公を利すことになりました。今回野党がどこまで連携できるかは不透明ですが、民主党が与党だった前回と異なり、今回は自公(与党)対その他(野党)の図式なので、前回に比べれば野党間の連携は進むと思われます。これも与党にとってはマイナスです。

 この2つの要因だけでも与党は議席を10~20議席程度減らすと思われます。ただ、それだけなら3分の2は割り込むものの絶対安定多数は確保しており「危険な賭け」という程ではありません。「危険な賭け」というのはそれ以上に与党が議席を減らす可能性があるからです。

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「「義」もなく「利」もない解散・総選挙」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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