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欧州トヨタも試したデザイン思考

アイデアを形にするために大事なこと

2014年11月26日(水)

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 まずは、下の動画をご覧いただきたい。

 舞台は北欧のある大都市。1台のクルマが、郊外に向かってドライブに繰り出していく。その後部座席に座る少女を中心にストーリーは展開していく。

 車窓の景色を眺める少女。ふと、何気なく指で窓に木の輪郭をなぞってみる。すると、その輪郭がむくむくと現実世界に現れる…。

トヨタモーターズ・ヨーロッパとCIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)が製作した「未来のモビリティ」のコンセプト動画。何気なく指で窓に木の輪郭をなぞってみると…

 不思議な場面から始まるこの動画、実は主役は少女ではなく、クルマの「窓」である。端的にテーマを表すならば「ウィンドウの未来」とでも言えるだろうか。カーウィンドウがそう遠くない将来に実装しそうなコミュケーション機能を、様々な切り口で見せていく作品だ。

 別のシーン。少女がウィンドウの隅に触れると、「Distance」というボタンが現れる。軽く押すと、窓越しの建物や人までの距離が示される。さらに違う場面では、窓から見える様々な建物に「House」「Roof」といったラベルが張られていく。それらに触れると、音声でラベルの解説が流れ出す、といった具合だ。

 クルマの未来というと、自動運転といった技術や、外観デザインといった点に関心が向かいがちだ。そんな中にあって、「ウィンドウを通じたコミュニケーション」というクルマの乗車体験に焦点を当てたこの動画は、従来のスペック中心の発想とは一線を画する。

 このコンセプト動画を生み出したのは、トヨタモーターズ・ヨーロッパ。その名も「Window to the World」という。

 ご覧いただければ分かるが、派手なCG(コンピュータグラフィックス)などの特殊効果は一切使われていない。決してお金がかかっている作品ではないが、切り口の独創性が受け、2011年に無料動画サイト「YouTube」で公開されると、瞬く間に話題をさらった。再生回数は現在までに240万回を超えている。公開後のあまりの反響の大きさに、欧州の自動車向け展示会で披露され、欧州のデザイン関連のイベントでは賞を獲得した。

 「いかに他と違う発想を形にするか」。成熟した産業の熾烈な競争を勝ち抜くために、多くの企業が従来にない新しい発想で既存事業をテコ入れする努力を続けている。いわゆる「イノベーション」を生み出す作業とも言えるが、現実にそれを実践するのは簡単なことではない。

 その意味では、自動車という成熟産業の中で、従来とは違った発想で未来のクルマを形にした欧州トヨタのアプローチは注目に値する。新しいアイデアをいかに具現化するかというテーマで、彼らの取ったプロセスを紹介してみたい。

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「欧州トヨタも試したデザイン思考」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師