• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

不夜城の陥落、力を失いつつある香港デモ

なぜデモは民意を失ったのか

2014年12月1日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 香港デモ――2017年に実施される予定の行政長官選挙において、制限付きでない「真の普通選挙」の実施を求める民主派による道路占拠デモは、11月25日から26日にかけて、ひとつの山場を迎えた。

 25日朝、香港島と九龍半島各所に拡散したデモ隊のうち、最も強硬派が多いと見られる旺角(モンコック)で、警官隊らによるバリケードの強制排除が始まった。デモ隊と警官隊が睨み合い、怒号や罵声が飛び交う中、バリケードやテントが次々に運び出されていった。

逮捕された若き学生リーダー

 まず排除されたのは、旺角の中でも亞皆老街(アーガイルストリート)30メートルほどに構築されたデモ拠点の一部だった。夕刻から夜にかけて、亞皆老街から押し出されたデモ隊が近辺の細い路地に入り込み、ここで警官隊と激しく揉み合う事態となった。深夜には衝突が激化し、警官隊は催涙性のある液体をデモ隊に向けて噴霧した。現地報道によれば、100人を超える逮捕者が出た。

 その翌日、亞皆老街と直角に交わる彌敦道(ネイザンロード)でも強制排除措置が取られた。やはり激しい揉み合いが発生し、学生団体「學民思潮」の主催者・黄之鋒氏も逮捕された。

 彌敦道は、数百メートルに及んで占拠されていた旺角における最大のデモ拠点だ。常時数百人から千人以上の若者がここに集まり、テントで寝泊りし、時に演説に耳を傾け、時に民主化を求める歌を歌った。24時間、喧騒の途絶えることのない若者らによる「不夜城」だった。また黄氏は、かつて中国による「愛国教育」が香港で強制されることに反対し、デモを主宰して中止に追い込んだ立役者であり、若干18歳にして今回のデモの精神的支柱の1人だった。彌敦道の“陥落”と黄之鋒氏の捕縛は、60日間にも及んだ香港デモの「終わりの始まり」を感じさせる。

11月28日追記:黄氏は27日に身柄を解放された。ただし、釈放ではなく保釈。旺角一帯に立ち入ることも禁じられている。

 各種世論調査の結果を見ても、既に香港世論は「道路占拠デモ継続反対」に傾いている。10月初旬に実施された香港中文大学の調査では、デモへの「支持」(37.0%)が「不支持」(35.5%)を上回っていたが、11月初旬に実施された香港理工大学の調査では実に73%がデモ継続に「反対」という意見だった。長期化するデモは、渋滞を引き起こすなど香港社会に不便を強いつつ、成果の展望がないものとして受け止められつつあった。

 世論の支持を失えば、社会運動はたちどころに力を失う。

 デモが激化し、警官隊が催涙弾で強硬的に鎮圧を試みたのが9月28日だったので、道路占拠は、11月25日で実に「58日間」に及んだ計算になる。無抵抗の学生らに催涙弾を放った香港政府の強硬策は世論の怒りに火をつけたが、記憶と衝撃も日に日に薄れた。9月28日の失敗――警官隊の催涙弾によってデモが拡散し、強化されたことを考えれば、香港政府自身にとっても無益どころか有害な強硬策であり、明らかな誤謬だった――を踏まえ、世論が逆転するこの機を待って、いよいよ香港政府が「力」に訴え始めたというわけだ。

 しかも9月28日とは異なり、今回の執行は「司法」の判断を踏まえている。

コメント6件コメント/レビュー

本文中「仮説」が2カ所で「仮設」になっていたり、「住宅価格が平均年収の○倍」という試算の単位が途中で「%」になってしまっていたり、誤字が多いようだ。内容は読み応えがあるのにもったいない。急いで書いた記事なのか。(2014/12/02)

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「不夜城の陥落、力を失いつつある香港デモ」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

本文中「仮説」が2カ所で「仮設」になっていたり、「住宅価格が平均年収の○倍」という試算の単位が途中で「%」になってしまっていたり、誤字が多いようだ。内容は読み応えがあるのにもったいない。急いで書いた記事なのか。(2014/12/02)

日本の空き店舗は不景気の為だが香港の空き店舗は貪欲に値上がりを待つ為だけだから不動産の高騰で困る香港人の怒りはあたりまえの事。学生取り締まりの警官の傍に私服の民間の香港人らしくない風貌の数人が写真に写っていた。北京のエリート学生はいくら世界1,2の難関大学と威張っても命が惜しいからと金儲けの為自分以外のことは考えずひたすら勉強に励んでいる。言論の自由もなく法律も一党独裁の為だけにある。そんな国の民は過去の日本の国と同じ運命になるだけである。(2014/12/02)

先週の台湾の統一地方選挙は国民党の大敗でした。香港の状況を目の当たりにして、台湾の民意はひまわり学生運動に共感したようです。(2014/12/01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長