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苦悩する伝統的な家族経営

家族の不仲、経営理念の崩壊、資産運用の失敗…

2014年12月3日(水)

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 前回は、長期永続しているファミリービジネスが、他の事業体と比較してどのような特徴を有するのかという点について考えてみました。今回は、ファミリービジネスの多くにとって、事業を支えてきたこうした伝統的な特徴を守ることがいかに難しくなってきているのか、その実態と背景について考察していきたいと思います。

共同体としての家族の崩壊

 ファミリービジネスにとって重要なのは、家族が共同体としての意識を持ち、その絆を強固に保つための努力を継続することです。しかし、これがいかに難しいことであるかは、家族の不仲によって経営上行き詰まった多くの事例を見れば自明であり、誤解を恐れずにいえば、すべてのファミリービジネスにこうしたリスクは内包されているといっても過言ではありません。ファミリービジネスの場合には、社内に不仲を調停する機能や人を有することは極めて稀で、一度絆が崩れてしまうと修復することが大変困難です。

 ではなぜ不仲になってしまうのでしょうか。もちろん、家族と言っても人間同士ですから、相性が合わないというケースは多いでしょう。だからこそ、所有と経営をなるべく一体化した方がよいと主張するアドバイザーも日本には多いように思います。しかし、私自身は、本質的な問題はそこではないと考えています。

 何がしかの形で事業に関与するステークホールダーが家族内に複数いる場合に、争いの火種となる原因のほとんどはコミュニケーションの不足です。読者の皆様は驚かれるかもしれませんが、私がお会いしたファミリービジネスにおいて、一緒の会社で仕事をしていても親子同士の経営に関する会話が全くないので困っているとか、相手が何を考えているのか全く理解できないので本音を聞いてほしい、といったご相談を受けることは決して珍しいことではありません。

 むしろ親子だから聞きにくい、身内だからこそ率直に話ができないというのは極めて一般的なことです。本音で話し合えれば何とかなる問題も、疑心暗鬼が募り、最後に大喧嘩という形で爆発してしまう例は枚挙に暇がありません。

 昔は、家族で一緒に食卓を囲んだり、盆正月や冠婚葬祭には必ず参集するという習慣があり、人間関係もより密であったのかもしれませんが、核家族化や大都市への人口集中が急速に進行する中で、定期的に情報共有する場を確保することは大変難しくなっています。

 また、直接事業に関与していない配偶者(男女に拘わらず)が、「我が家だけは他の家族に比べて金銭面での待遇が不当に低い」といった疑念を抱き、これが火種となるケースも多いように思います。

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「苦悩する伝統的な家族経営」の著者

大澤 真

大澤 真(おおさわ・まこと)

フィーモ代表取締役

1981年日本銀行入行。国際通貨基金出向、ロンドン事務所次長、金融市場局金融市場課長、那覇支店長などを経て2006年PwC入社。2012年フィーモ設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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