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リクルートでの大きな挫折

約5年間で40億円投資した事業から撤退

2014年12月15日(月)

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本連載はグーグルの前代表取締役である有馬誠氏の新著『ギャップはチャンスだ!』を一部抜粋したものです

 リクルートでは多くのギャップに遭遇し、そして全てを乗り越えられたわけではない。大きな挫折もあった。前述のRINGで入賞を果たして、鳴り物入りでスタートした国際通信関連の新規事業の失敗である。インターネット普及以前、国際通信回線の利用料金は高かった。そこで通信回線を保有する企業(当時のKDDなど)から回線を借り受け、付加価値を付けて再販する事業だ。

 リクルート悲願のインターナショナルな新規事業ということで、リクルートの経営陣からも大いに期待されたし、その事業のために設立されたリクルート国際VANでいきなり取締役に任命されて気を吐いたが、苦戦した。あとあと計算してみたら、約5年間で40億円もの投資をしてもらいながら撤退という最悪の結果となった(出してはいけない数字だろうが20年以上前のこととして許してもらいたい)。終始自分から「やらせてほしい」と言い続けた事業だけに何としても成功させたかったが、最後は、証券会社や銀行という国際金融の業界相手のビジネスだったこともあり、バブル崩壊という金融界にとっても致命的な出来事の前になすすべなく敗れ去った。プロダクトの品質を、世界で勝ち抜けるレベルにまで高められなかったのだ。

 後で振り返ると、海外ベンチャー買収と撤退、ビジネス英語の基礎の習得、最先端のコンピュータと通信の融合事業(今で言うとまさにウェブサービスということになる)など、その後のキャリアの基礎となる経験はその時に積んだものだ。自分自身のスキルのギャップは埋まっていたことになるが(今から思ってもありがたいこと限りない)、当時はそんなことを考える余裕もなく、ただひたすら失意に沈んだ。ビジネスでのギャップは埋められなかったのだ。

 しかし、それだけの事業を若手に全面的に任せて応援する風土は今思い出しても先進的で、本書後半で詳しく触れる「イノベーションを起こす企業風土」をリクルートは当時から持っていたと思う。

360度評価を人気投票に終わらせない

 リクルートでは、マネジメントについても「ギャップに気付き、それを埋める努力をしたことで、自分は変われた」とはっきり思える経験をした。前職のクラボウでは、30歳で部下を10人ほど抱えて、実績もまずまず上げており、リーダーシップについて自分なりの自信はあった。

 ところがリクルートでのマネジメントにそのやり方を持ち込んだところ、これが大失敗。リーダーたるもの、「俺についてこい」というやり方でなければいけないという勝手な思い込みがあり、自分が先頭に立って(これ自体はそれでいいのだが)、部下は引っ張っていかないといけないものと思っていた。これが間違いのもとだった。リクルートはそういう会社ではなかった。誰もついて来なかったのだ。

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「リクルートでの大きな挫折」の著者

有馬 誠

有馬 誠(ありま・まこと)

MAKコーポレーション社長

リクルートなどを経て1996年にヤフー第一号社員として入社、常務取締役として立ち上げに貢献。2004年人材紹介会社アイ・アムを創立。10年よりグーグル日本法人代表取締役、2014年2月より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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