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崩壊した株価と長期金利「1万倍の法則」

2014年12月16日(火)

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 新聞報道でなんとなく数字を見ているだけではわからないかもしれないが、「アベノミクス」が進められる中、日銀の大胆な金融緩和が「主犯」となって、東京市場における債券と株式の相場形成は相当ゆがんだものになっている。

 日銀は「量的・質的金融緩和」を2013年4月に導入し、14年10月末には追加緩和を決めて、長期国債を市場から大量に買い入れ続けている。言ってみれば、近年その吸引力で人気がある某外国製の掃除機が、さらに強力なバキューム効果を発揮しているようなイメージだ。

 しかも、欧州中央銀行(ECB)が通貨ユーロの下落を促すため政策金利の一部にマイナス金利を導入したため、ユーロ圏など海外からも、日本の債券市場に資金が流入している。

慢性的に債券が不足する国内債券市場

 結果として、国内債券市場では国債を中心とする債券という金融商品が慢性的に不足しており、価格が上がりやすく(利回りが下がりやすく)なっている。需給面の変化ばかりを材料にして相場が上下動する「日銀主導の需給相場」という性格が、今の債券市場ではきわめて強いのである。

 このため、市場が通常の状態であれば備わっている景気・物価の先行きを読んで動く「景気・物価の鏡」の機能や、財政規律の緩みに対して金利が上昇することで警告シグナルを発信する「自警団」機能が、ともに失われてしまっている。市場としての健全な価格形成機能がマヒしているのである。

 一方、国内の株式市場においては、基本ポートフォリオ見直しで国内株式を25%に引き上げたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と、10月末の追加緩和でETF(指数連動型上場投資信託)の年間買い入れ額を3倍増の約3兆円にした日銀という、2つの「官」のマネーの存在感が大きくなっている。

 株価の下落局面でそれらが買い出動することへの期待感が市場に浸透しているため、海外発など何らかの材料で大きく下落することがあっても、ほどなく急反発することが多く、下値抵抗力が人為的に強まっている。

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「崩壊した株価と長期金利「1万倍の法則」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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