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米知日派が警戒~大勝した安倍首相はオバマに強硬に出る

対米路線の継続は歓迎だが「強まる右傾化」に一抹の不安

2014年12月16日(火)

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 米国は、自民・公明の与党が絶対安定多数を獲得したことを歓迎している。日本の対米路線が継続すると理解しているからだ。「選挙後は、集団的自衛権の行使容認を踏まえた安全保障法制の整備が本格化するだろう。大詰めを迎えつつある日米防衛協力の指針(ガイドライン)再改定も年明けには最終合意に漕ぎ着けそうだ」(国務省筋)。

 消費税率10%への引き上げを1年半延期することで、デフレ脱却に必要な時間を稼げることになった。日本経済の再活性化を目指すアベノミクス路線の堅持に道筋が見えてきた。「世界経済の牽引力」として日本がカムバックすることを一番望んでいるのは米国である。

「安倍自民党しか有権者に選択肢はなかった」

 歓迎する声がある一方で、大勝して強気になった安倍政権が「歴史認識」問題でこれまで以上に「右傾化」するのではないか、といった一抹の不安と警戒心が燻り始めている。「そうなれば、せっかく和解の兆しが見えてきた中国や韓国を一層刺激し、米国が期待する東北アジアの安定に暗い影を落とす」(米主要シンクタンク研究員)からだ。

 米国は、自民党がこれだけ大勝した要因をどう見ているか。米知日派たちは一様に、日本の有権者には自民党以外に選択肢がなかったことを挙げている。例えばジェラルド・カーティス コロンビア大学教授は「(一度政権をとりながらも)民主党はその素人臭さと無能さで、信頼できる与党になるチャンスをあまりにも早く決定的にふいにしてしまった」と分析する。
【特別企画】日本は5年後も日本のまま=ジェラルド・カーティス氏, George Nishiyama, jp.wsj.com, 12/5/2014)

 国際問題評議会のシーラ・スミス上級研究員も「日本の野党がいかに脆弱かを改めて見せつける選挙だ」と同調する。
("Japan: Electoral Landslide With an Ambiguous Mandate," Sheila A. Smith, The Diplomat.com., 12/13/2014)

 一度民主党に「裏切られた」有権者たちは、2年たってもその後遺症から抜け切れなかった。民主党は有権者から完全に見放されてしまった。有権者は、分裂と集合を繰り返す「維新の党」や「次世代の党」をまともな「第三の極」とは見なさなかった。

安倍政権はオバマから知日派共和党へシフト?

 今回の総選挙の結果を受けて、安倍政権が日米関係における既定路線を大きく変えることはまずない。しかし日米関係をどう動かしていくか、その対処法に変化が出る可能性を指摘する知日派もいる。

 中国通かつ知日派のドナルド・カイザー元国務次官補代理(東アジア担当)は筆者とのインタビューでその「変化」に以下のように分析した。同氏は、北京、東京の米国大使館に勤務、その後国務省で北東アジア担当の要職を歴任したベテラン外交官だ。退官後は、スタンフォード大学アジア太平洋研究センター(APARC)でアジア太平洋問題を調査・研究してきた。今もオバマ政権の外交・安保担当者とのパイプがある。

 「これで安倍首相は国民からmandate(政策執行権限)を委託された。安倍政権が安定することで日米関係のcontinuity(継続性)が保証されたことは確かだ。米側が懸念しているのは、ナショナリスト的な安倍首相や周辺が『歴史認識』問題に対して一層強硬になりはしないか、という点だ。『オバマ政権がこの問題で口を挟んできても、俺たちは跳ねつけられるぞ』といった自信を持ちかねない。安倍首相はレイムダック化したオバマ大統領や側近など相手にせず、上下両院を制した共和党幹部と直接取り引きする可能性だってある。共和党幹部の大半は自民党びいきだからだ」

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「米知日派が警戒~大勝した安倍首相はオバマに強硬に出る」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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