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“安倍マジック”と習近平の沈黙

2014年12月18日(木)

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 「安倍晋三首相が衆議院選挙で大勝しました」
 「別に驚くことではありません」
 「中国は、大勝後の安倍首相にどう対応していくのでしょうか?」
 「経済政策、歴史認識、安全保障など、密に観察していきます」
 「やはり憲法改正は気になりますか?」
 「日本国内で遅かれ早かれ現行の憲法改正に向けた政治的な動きや世論が現れるであろうことは分かっています。安倍首相がそこに火を付ける可能性のある一人だということも」
 「習近平国家平主席は“安倍大勝”をどう見ているのでしょう?」
 「引き続き対日関係を重視していくでしょう」

 “安倍大勝”から一夜明けた12月15日、筆者は中国共産党中央で“対日工作”を担当する中堅幹部に感想を聞いた。その時のやりとりが上記である。

 本稿は《安倍首相の衆院解散は中国にどう映ったか?》のアップデート版だ。中国の政策関係者や世論が、安倍首相の衆院選大勝(自民291議席、公民35議席、自公合わせて326議席)をどう認識したのかを振り返ってみたい。それを踏まえて、2015年という戦後70周年に当たる節目の年に、日本と中国がどう付き合うべきか、そして指導者として両国を引っ張る安倍晋三首相と習近平国家主席の2人がどのような関係を築くべきかについても考えてみたい。

新華社が報じた安倍勝利の分析

 国営新華社通信や中国中央電視台(CCTV)といった国営メディアは日本で投開票が始まって以降、状況をリアルタイムで追いかけていた。中国世論が日本の政治について高い関心を持っていることを改めて示したと言える。約1カ月前、習主席が北京で安倍首相と会ったばかりということも関係しているだろう。

 12月15日早朝、新華社通信は《“安倍マジック”はあとどのくらい続くのか?》という論評記事を東京発で配信した。この記事は同日同時間帯における新華網のヘッドラインを飾っていた。中国国内で広範に認知されたものとみられる。中国共産党当局の見方や立場をかなり鮮明に反映している記事だけに、以下で詳細にレビューしてみたい。

 自民党が今回の選挙で勝利を収めた要因は複雑である。日本の選挙制度の欠陥、政党政治をめぐる生態の質の劣化、公共世論環境の悪化、一般国民の“安倍政治”に対する危機感の欠如などが挙げられる。そのなかでも、この2年間における安倍首相の“マジック”が果たした作用は小さくない。

 “欠陥”“劣化”“悪化”が具体的に何を指すかは明らかにしていない。

 以下の2つの段落に見られるように、同記事は、経済においても、発言においても、安倍首相が独自の“マジック”を使っていること、その効果が日本経済や社会にとってネガティブであることを指摘している。

 安倍マジックの代表作はアベノミクス。今回の衆院選も“アベノミクス解散”、即ちアベノミクスに対する信任投票だった。しかし、アベノミクスのレトリックや株価の上昇は日本経済が前進するどころか後退している実態を隠すことはできない。

 安倍首相及びその周辺にいる人間はあらゆる“言葉のマジック”を繰り広げている。“侵略無定義論”、慰安婦問題をめぐる“狭義の強制論”、集団的自衛権と“専守防衛”は矛盾しないという論、最近では、排外的な言論も“言論の自由の範疇”だという論まで飛び出している。“安倍式日本語”は日本語の成熟した言語体系を転覆させている。

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「“安倍マジック”と習近平の沈黙」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長