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日本でも納税者の0.1%に富が集中する傾向が顕著

2014年12月19日(金)

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 「同じくおもしろいことだが、ヨーロッパとは社会的にも文化的にも異なる日本さえ、20世紀初めには同じくらい高水準の格差が存在した。日本では国民所得のおおよそ20パーセント以上をトップ百分位が占めていた。(中略)どう見ても所得構造と所得格差に関して日本はヨーロッパと同じ『旧世界』の一部だった。20世紀を通じて日本とヨーロッパが似たような変遷をとげたこともまた興味深い」(トマ・ピケティ『21世紀の資本』335ページ、第9章「労働所得の格差」から引用)

 岡直樹さん(前国税庁国際課税分析官)の連載第2回は、日本のトップ0.1%に当たる所得金額5000万円超の納税者5万人の所得分析と、日本で平均2.5~5億円、米国で30~70億円という所得トップ400人の日米比較をお届けする。

 通勤中の電車で見上げると、“当たれば年収2000万の生活が30年できる”と、宝くじの宣伝が揺れている。年収2000万円というのはみんながイメージできる高額所得者の基準の一つなのかもしれない。米国では政府が高額所得者のデータを分析・公表することを法令で義務づけているが、基準となる金額は20万ドル(100円で換算すれば2000万円)だ。わが国でも給与収入が2000万円を超えると申告書提出義務があるので、このクラスの納税者については税務統計で実態を正確にカバーすることができる。

 2010年に2000万円を超える申告をした納税者は31万人で、この年のわが国の納税者数は約5500万人(総務省調べ)なので、Top 0.6%だ(本コラムではTop1%とみなす)。また、5000万円を超える申告をした納税者は5万人なので、Top0.1%(細かくは0.09%)に相当する。なお、2010年において米国の納税者のTop1%に該当するためには最低42万ドルの所得が必要なので、120円で換算すると5000万円相当だ。

 というわけで、今回は税務データから読み解くわが国のTop0.1%の納税者と、宝くじで1等に当たっても手が届かないかもしれないウルトラリッチ(Top400)の日米比較について。

Top1%の年齢

 まずはわが国Top1%(申告所得2000万円超)の年齢から図1に示す。

図1 Top1%(所得2000万円超)の納税者の年齢階層
出所:FR118号55ページ図7(※1)

 これによると、Top1%の納税者は、50後半~60代前半の人の割合が最大で、1/3の者がこの年齢階層だ。同時に、いわゆる年金受給世代である65歳以上の者も1/3存在している。2007年と2010年を比べると、年金受給世代の割合が減少した一方、いわゆる働き盛り世代である40代後半~50代前半の者が2パーセント以上(6~7000人)増加している。25~45歳のグループの割合も増加しているが、ここには成功した若い企業家やFX投資家等が含まれているのかもしれない。

 図1は所得の生涯所得カーブと相似形ではない。このようなカーブとなる背景には、毎年の経済活動により蓄積された「富」からの所得が影響していると思われる。

(※1)本コラムは、財務省財務総合研究所編集・発行「森信茂樹中央大学法科大学院教授責任編集 特集「家計の消費・貯蓄行動と税制の在り方」ファイナンシャルレビュー 通刊118号(平成26年第2号)(本コラムでは「FR118号」と略す)47ページ以下に収録された筆者の論考に基づいて作成した。本コラムにおけるデータの解釈や見解は筆者の個人的なものである。

コメント5件コメント/レビュー

ピケティの読者ですが、同氏の分析を踏まえた大変よい分析と思いました。筆者のさらなる発表を期待いたします。下記にあるような意見は、ピケティが既に本文中で反駁しているものです。それにしても、データで語る分析に、単に印象だけで違うと反論できる自信はどこから来るのでしょうかね。また、「所得の分布はべき乗分布になっている」という事実から「変な平等主義は忘れる必要がある」と結論づけるのは、自然主義的誤謬と呼ばれる間違いです。「交通事故は必ず起こる」から「交通事故の防止は不要ではないか」と結論づけるのと同じです。ピケティの処方箋は、累進課税とタックス・ヘイブン対策に向けての国際的な協調です。海外逃亡があるからとただ手をこまねいてみるというのはありえません。欧米と協力するためには、わが国も冷静な分析していかなければなりません。19世紀に貧富の格差拡大を放置した後に何が起こったかというと、インフレやデフォルト、戦争でした。富裕層の資産はそれで結局いったんスカンピンになったのだから、富裕層においても、自分のことだけを考えても、ロクなことになりませんよ。(2014/12/26)

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ピケティの読者ですが、同氏の分析を踏まえた大変よい分析と思いました。筆者のさらなる発表を期待いたします。下記にあるような意見は、ピケティが既に本文中で反駁しているものです。それにしても、データで語る分析に、単に印象だけで違うと反論できる自信はどこから来るのでしょうかね。また、「所得の分布はべき乗分布になっている」という事実から「変な平等主義は忘れる必要がある」と結論づけるのは、自然主義的誤謬と呼ばれる間違いです。「交通事故は必ず起こる」から「交通事故の防止は不要ではないか」と結論づけるのと同じです。ピケティの処方箋は、累進課税とタックス・ヘイブン対策に向けての国際的な協調です。海外逃亡があるからとただ手をこまねいてみるというのはありえません。欧米と協力するためには、わが国も冷静な分析していかなければなりません。19世紀に貧富の格差拡大を放置した後に何が起こったかというと、インフレやデフォルト、戦争でした。富裕層の資産はそれで結局いったんスカンピンになったのだから、富裕層においても、自分のことだけを考えても、ロクなことになりませんよ。(2014/12/26)

80年代が最も公平? 私はそうわ思わないです。80年代は世界長者番付で日本人がトップになった事あるぐらい金持ち日本人が多かったと記憶してます。バブル時代と言っても恩恵受けてるの一部の国民だけだったはず。はっきり言って70年代、80年代にも貧乏人いました。私は68年生まれですが、子供の頃は滅多に肉も、寿司も食べれる機会がなかった。正直値段高かったです。 今は子供達は普通に食べれる。昔の方が格差あったのではないか? デフレの恩恵なのでしょうね。その分、給料は上がりにくくなった。安売り産業が増えた分。(2014/12/19)

所得の分布はべき乗分布になっていると考えられ、これは人為的なものではなく物理法則である。平均化するためには高額所得者の所得税を累進制で多くするのが一見良さそうであるが、そうなると高額所得者は海外に逃げ出してしまう危険性がある。現に中国などの一部の国ではそのようになっている。国民全体と高額所得者との両者が満足に思える富の再分配ルールを作る必要がある。おそらく、何がしかの名誉と引き換えに財産を吐き出してもらうのが最良で、変な平等主義は忘れる必要があるのかも知れない。元々不平等なのだから。(2014/12/19)

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