• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「増税先送り論」の深層心理

政府のあり方を議論し初めて決まる税負担のあり方

  • 土居 丈朗

バックナンバー

2014年12月22日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 12月14日に第47回衆議院総選挙が行われた。「アベノミクス」の継続を訴えた連立与党は圧倒的多数の議席を獲得し、公務員人件費の削減などを訴えた第3極は議席を伸ばせなかった。

 そもそも、今般の衆議院総選挙は、消費税率の10%への引き上げを予定通り2015年10月に行わず先送りする決断が引き金となっている。総選挙では、消費再増税の先送りについて、どの政党も反対しなかった。

 この動きは、政府は不必要な税負担を国民に課すべきでなく、その分政府支出も抑制せよという有権者が多く、その意向が反映された、と言えるだろうか。半分は当たっているが、半分は外れている。

 税負担によらず国債を増発して政府支出を増やすことに賛成する有権者が多いところを見ると、結局のところ、今般の増税反対の意見は、「小さな政府」を望んでのものとは言えなさそうである。ブキャナン=ワグナー著『赤字の民主主義』でも指摘されているように、国債発行で目先の税負担が回避できると分かれば、民主主義では有権者に甘言を言う政治家が跋扈する。

増税反対論が「小さな政府」論とつながらないわけ

 わが国での増税反対論は、なぜ「小さな政府」論とつながらないのだろうか。

 そもそも、なぜ増税に反対するか。基本的には、自らの可処分所得が減るのが嫌だからで、それは経済合理性がある。つまり、増税されれば、それだけ個人として消費や貯蓄の自由を制約されるのが嫌だからである。

 アメリカにおける「小さな政府」論は、まさにこの点を重視する。税負担が重くなれば、個人の行動の自由が脅かされるとみる。だから、アメリカにおける「小さな政府」論は、自由主義と密接に結びつく。

 日本でも、その可能性はある。政府の肥大化により、個人の自由が脅かされるのを暗黙の裡に認識し、それを踏まえて増税に反対する。この考え方に基づくなら、それは前述の意味での自由主義の発想である。

 その意味では、わが国の有権者にも自由主義の発想は奥底にある。政府の肥大化を招くような税負担の増加は、個人の自由を奪う。政府による過剰な規制により、民間で活動するときに、いちいち政府にお伺いを立てなければ何もできないとなると、これまた個人の自由を奪う。これに共感できる読者は、大なり小なり自由主義の発想があるといえよう。

 では、わが国の増税反対論者は、自由主義者なのだろうか。どうやらそうではない。これが、わが国での増税反対論が「小さな政府」論とつながらない根拠と言える。

コメント13

「アベノミクスと『赤字の民主主義』」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック