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「ドル復権時代」の死角

再び金融危機以前のような経済構造を作り出すのか

2015年1月5日(月)

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 2014年の資本市場は、多少の波はあったものの総じて「株高と低金利そしてドル高」という3つの言葉で形容することが出来る。2015年を展望するにあたり、株高と低金利が昨年のようなペースで続くかどうかにはやや留保条件を付けたくなる一方で、ドル高はやはり継続すると見ておくのが無難だろう。

 ドル円は昨年末にロシア不安で一時115円台まで下落する場面もあったが、円安基調は当面継続するとの見方が大勢だ。ユーロドルも、量的緩和への前傾姿勢を強めるECBのドラギ総裁を見れば、ユーロ安方向へのトレンドは変わりそうにない。資源安を背景に、豪ドルも軟調推移が予想される。

 新興国通貨も基本的に売りである。原油急落を背景にルーブルが暴落したロシア、反欧米の旗を振りまわすトルコ、構造改革への期待が薄れるブラジルなど、今年も新興国通貨はひと波乱ありそうな予感がする。

 米国同様に今年利上げが見込まれる英国のポンドや、安全資産としての人気が根強いスイスフランなども、ドルとともに強含みで推移することが予想されるが、全般的な為替市場の印象を示すのに「ドル復権時代」というフレーズは、決して誇張表現ではないだろう。

 ドルの一方的な上昇に関しては、米企業への業績やインフレ率へのマイナス材料になると懸念する声もあるが、独り勝ちの様相を強める米国経済を見れば、誰もドルを売る気にはなれないだろう。12月のFOMCで明らかになったように、FRBもあれこれ気を遣いながら第2四半期以降の利上げ時期を探る姿勢を堅持している。

ドルに不可解な上昇はない

 準備通貨として国際金融のインフラ通貨となっているドルが一度上昇気流に乗れば、そのトレンドは長期化する傾向が強い。株には不思議な上昇があるが、ドルに不可解な上昇はない。

 JPモルガン・アセット・マネジメントは「不透明感の強い市場で最も透明感があるのはドル高だ」として、現在のドルの上昇率はまだ序の口に過ぎず、新たな時代の幕開けに過ぎないのではないか、と指摘している。

 その考え方の根底にあるのは、米国以外に運用市場として魅力のある対象が乏しい、ということだろう。それは、通貨価値を引き下げて何とか景気を浮揚させようとする以外に成長戦略の見当たらない日本やユーロ圏の経済政策を見れば、一目瞭然である。

 だが、人々は市場のコンセンサスが往々にして裏切られることを知っている。1年を通してみれば、ドル安転換かと思わせるような地合いも何度か起きるだろう。所謂「リスクオフ」が円の買い戻しを誘い、海外資産に比重を置く日本の投資家をヒヤリとさせる場面も何度かある筈だ。

 昨年も、中東やウクライナなどにおける地政学リスクや原油相場下落などのサプライズがドル売りを加速する場面があった。こうした事象は市場に付き物なのだ。そして今年は、先進国の金融政策に関してもサプライズが起きることも想定される。問題は、それがドル高の大きな流れを止めて反転させる力を持つかどうか、である。

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「「ドル復権時代」の死角」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト