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あなたはなぜ、そこで働くのか

第1回 イノベーションも人生も本当は辛いもの

2015年1月7日(水)

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(写真:陶山勉、以下同)

「非凡な現場では論理と実践がスパイラル運動している」と表現する「知識創造経営」の生みの親、野中郁次郎一橋大学名誉教授、そして「日本企業の現場は劣化している」という遠藤功・早稲田大学ビジネススクール教授。かつては強かったはずの日本企業の現場を、再び輝かせるために今、必要なこととは何か。碩学と現場に詳しい著名コンサルタントが激論した。

(構成は片瀬京子)

野中:遠藤さんの近著『現場論:「非凡な現場」をつくる論理と実践』、とても興味深く読みました。

遠藤:ありがとうございます。野中先生に読んでいただけたとは大変光栄です。お手紙までいただいてしまって、お礼申し上げます。実は私は常々、野中先生のおっしゃる「知識創造」とそれから私の申し上げている「現場力」との間に、橋のようなものをかけられないかと思っていました。それがこの本の執筆のきっかけのひとつです。

野中:読んでみて、とても腹に落ちました。遠藤さんの「現場力」の本質が良く理解できました。読んでいて、自分が、ナイフを手作りしたときのことを思い出しましたね。

「ナイフの手作り」で現場の上司から得た洞察

遠藤:ナイフ、ですか。

野中郁次郎(のなか・いくじろう)氏
一橋大学名誉教授、早稲田大学特命教授。1935年生まれ。富士電機製造を経て72年、米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院から博士号(Ph.D.)取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校教授、一橋大学商学部教授、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科長、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授を歴任。「知識創造経営」の生みの親として知られ、現在においても世界的に影響力のある経営学者。

野中:遠藤さんはかつて三菱電機にお勤めだったけれど、僕はかつて富士電機で働いていました。新入社員時代、現場研修で川崎工場に行きましたが、そこを卒業するには、ナイフを手作りするという課題があったのです。

 その時も、またその後の配属先の現場でも職長と親しくなりましたが、彼らは非常に洞察力がありました。優秀な職長が、大卒をも中卒をも指導していた時代は、現場が強かったのです。つまりそこは非凡な現場でした。遠藤さんもただの現場ではない、非凡な現場の職長に学ぶことが多々あることをこの本に書かれている。

遠藤:そうですね。

野中:遠藤さんの本には、非凡な現場にはそういった実践だけでなく、論理もあることを記されています。実践だけではないし、論理だけでもない。その両方をバランスして現場を捉えている。この視点が面白かったです。

遠藤:ありがとうございます。

野中:最近は、シリコンバレーでも大企業がスタートアップを買収しようとしてもなかなかうまくいっていません。大企業の場合は基本的に、「Ready、aim、fire」つまり「用意、狙え、撃て」なんです。しかし、スタートアップは「Ready、fire and aim」です。

コメント7件コメント/レビュー

以前、日本企業ならではの暗黙知や知恵は、外国企業には移植不可能なのではないか、と思っていました。しかし、最近はそうも思えなくなりました。特にアジア新興国で、日本企業は、日本独特と見えた手法を少しずつ移植しているように見えるからです。ヤマト運輸の宅配便、ヤクルトの乳酸飲料販売、資生堂の美容部員による店頭販売など。いずれも現場の力が優れていなければ機能しません。おそらく、世界には、こうした現場力重視のスタイルが向く企業や人材がかなりいるのではないでしょうか。これからは、こうしたやりかたを、「緻密で完全主義的な日本人しかできない」と思い過ぎずに、外国に移植する努力をすべきだと思いました。同時にそれが日本企業が世界で勝つ道でもあると。(2015/01/11)

「野中郁次郎×遠藤功 強くなれ!ニッポンの現場2015」のバックナンバー

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「あなたはなぜ、そこで働くのか」の著者

野中 郁次郎

野中 郁次郎(のなか・いくじろう)

一橋大学名誉教授

1935年生まれ。富士電機製造を経て72年、米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院から博士号(Ph.D.)取得。「知識創造経営」の生みの親として知られ、世界的に影響力のある経営学者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

遠藤 功

遠藤 功(えんどう・いさお)

早稲田大学ビジネススクール教授

ローランド・ベルガー日本法人会長。1956年生まれ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社。米系戦略コンサルティング会社を経て、2000年ローランド・ベルガー社長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

以前、日本企業ならではの暗黙知や知恵は、外国企業には移植不可能なのではないか、と思っていました。しかし、最近はそうも思えなくなりました。特にアジア新興国で、日本企業は、日本独特と見えた手法を少しずつ移植しているように見えるからです。ヤマト運輸の宅配便、ヤクルトの乳酸飲料販売、資生堂の美容部員による店頭販売など。いずれも現場の力が優れていなければ機能しません。おそらく、世界には、こうした現場力重視のスタイルが向く企業や人材がかなりいるのではないでしょうか。これからは、こうしたやりかたを、「緻密で完全主義的な日本人しかできない」と思い過ぎずに、外国に移植する努力をすべきだと思いました。同時にそれが日本企業が世界で勝つ道でもあると。(2015/01/11)

日本では両極端だと思うのね。記事内と逆に、ろくに思考検証もせずに動くか、考えるばかりで動かないか。最近のISO他、石橋を叩いてリスクを回避しようとする行為。経営から上流の会社は行き過ぎで、自分の所のリスク回避の詐術ばかりで、金を掠めつつ投資金を減らしつつリスクは下層へ押付けるだけ。最終的には責任を持つ保険会社的役割があるが、先日のエアバッグ事例のように、子会社が責任矢面に立つならばという危うい面も見える。話は戻り、投資予想量に応じたリスク回避策としないと、実験や失敗で経験をつんだ方が身に成るだけマシで、投資回避だけでは成功も無い。という考えもあるし、全てはバランス(2015/01/07)

アメリカIBMの社員は、自著でこう書いています。「私達がここで暮らして働くのは、それが私達の望みだからです。私達にとっては、そこが通過点ではなく、ロチェスターこそが最終目的地なのです。信じられない人もいるでしょうが、私達のほとんどは、「冬は寒く、コンピュータはホットな」【小さな町に暮らすのが楽しい】のです。これこそが、私達が自分達の製品に熱中する一番の説明です」私がここで働く理由も同じ理由です。(2015/01/07)

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