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江戸時代にあった家族経営の暗黙知

ファミリービジネスの永続・復活に向けて(1)

2015年1月9日(金)

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 前回は、苦悩するファミリービジネスと題し、ファミリービジネスが強みとしてきた共同体としての家族の結束保持、理念や価値観の継承、資産の維持・拡大が困難となっている現状やその背景について考えました。

 今回は、こうした困難を乗り越えて、地域社会を支えるファミリービジネスをよみがえらせる糸口はどこにあるか、歴史的経緯も踏まえつつ、論じてみたいと思います。

欧米流の解決策:実は源流は江戸時代に

 筆者は2006年~2012年に国際的コンサルティング会社に勤務していました。この6年間に学んだのは、欧米ではファミリービジネスを様々な危機から守り、永続させる仕組みについての研究が進み、それが明確に形式知化されているということでした。

 それは、
(1)共同体としての家族のルールを定めた家族憲章、
(2)家族間の良質なコミュニケーションを維持するための家族会議、
(3)家族憲章に則り家族間の利害調整や共同体としての家族の資産の維持・拡大を効率的に行う手助けをする専門家集団であるファミリーオフィス、
という3つの柱によって成り立っています。

 この欧米で用いられている手法は、元々カーネギー家やロックフェラー家といった米国の大財閥によって開発され、今日では欧州、中近東、アジア新興国などにも広く共有されています。

 また、各家族での具体的な経験を共有するための国際的組織が組成され、学術的な研究も大いに進んでいました。国際的に形式知化が進んだことによって、学問および実務としてより洗練されたものに発展していたのです。

 一方、当時私がヘッドを務めていたファミリービジネス向けコンサルティングチームでは、「事業承継チェックリスト」という商品を開発し、事業承継の準備がどこまで進んでいるのか検証したうえで、事業承継計画を策定し準備が整っていない部分を順番に補正していくという、どちらかといえば受動的に問題解決に取り組む手法で対応していました。

 しかしながら、クライアントからは、「具体的に目指すべき解決策は何なのか、イメージが湧きにくい」、「何年かかるかわからない承継プロジェクトを、事業が忙しい中で始める正当な理由がない」といった声が寄せられていました。

 また、金融機関などが提供するサービスは、節税対策を重視するものであるため理解は得やすいものの、かえって企業価値(株価)を下げる施策に重点が置かれるなど経営の観点からみると必ずし全体最適とは言えないものも多く含まれていました。

 さらに、こうした対応策は、あくまで相続という一時点のための対策で、世代を超えて事業を永続するという視点が十分には反映されていませんでした。事業承継はファミリービジネスにとって最重要課題だという認識は、そのためのガイドラインの作成すら行った政府の努力もあって、広く共有されてはいるものの、最良の解決策については道筋が見えないという状態は残念ながら現在も続いていると思われます。

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「江戸時代にあった家族経営の暗黙知」の著者

大澤 真

大澤 真(おおさわ・まこと)

フィーモ代表取締役

1981年日本銀行入行。国際通貨基金出向、ロンドン事務所次長、金融市場局金融市場課長、那覇支店長などを経て2006年PwC入社。2012年フィーモ設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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