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日航破たんから5年、「普通の会社」に戻る条件

2015年1月9日(金)

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 2010年1月19日に日本航空(JAL)が経営破たんしてから5年が経とうとしている。京セラ出身の稲盛和夫名誉会長による経営改革で2012年9月には株式を再上場、2015年3月期の連結営業利益は会社計画(前期比5%減の1580億円)を上回る可能性がある。しかし、日航が「普通の会社」に戻るハードルは決して低くはない。

 それは経営陣の言葉からも察することができる。「いつまで再建企業だと言い続ければいいのか。もちろん社会にご迷惑をかけた責任、そして救っていただいたご恩は一生忘れようもない。でも一方で、そろそろ再建企業というエクスキューズ(言い訳)はやめようってね」。植木義晴社長は昨年12月、記者にこんな心情を漏らしたことがある。

 偽らざる本音だろう。日航は2010年1月19日、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請。負債総額は日本の事業会社としては過去最大の2兆3000億円規模だった。2012年9月19日に株式を再上場して以降も、民主党政権下で公的資金によって再建した日航に対しては、その後の自民党政権で霞が関・永田町から日航の新規路線や設備投資を縛る動きが相次いできた。

 税制も、そのひとつだ。法的整理の枠組みに従って法人税が減免されている。稼いだ黒字を過去の赤字と相殺する繰越欠損金制度があるためだ。

 その制度の縮小を政府・与党は昨年末、決めた。黒字の8割まで認めている控除割合を将来的に5割に下げ、赤字の繰越期間を現行の9年から10年に延ばす。日航は2014年3月期末時点で8000億円超の繰越欠損金がある。みずほ証券が一定の前提下で試算した2016年3月期の法人税負担額は117億円。税引き前利益で1500億円規模を稼ぐ日航にとって影響は小さくない。

 納税は「普通の会社」が負うべき義務であり、日航自身もその重みをひしひしと感じていることだろう。「再建企業というエクスキューズをやめよう」という植木社長の真意は、公平な競争条件下でも十分伍していける競争力を持たねばならないという危機感の裏返しでもある。

 今の株式市場では、日航が普通の会社に戻る過程を冷静に見極めようとする空気がある。

 確かに法人税を支払えば、その分だけ単年度の損益は圧迫するが、それはライバルのANAホールディングスが再三主張してきた「競争条件のゆがみ」を是正することになる。日航にとっては経営の自由度が上がり、霞が関・永田町が課してきた事業拡大や成長投資への制約も薄れる道が開ける。

 法人税は企業が稼いだ利益を国、地方自治体に還元するのが目的だ。同じように株主に支払う配当も、一層の拡充が求められる。

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「日航破たんから5年、「普通の会社」に戻る条件」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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