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「意欲」だけでは地方は救えない

森田朗×膳場貴子 特別対談(2)

2015年1月16日(金)

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 人口減少時代に何が起きるのか。「現実」をつかんでおこう。リアルなデータを基に、「待ったなしの明日」を知る。それが「何をすべきか」を知るための道だ。まずは、膳場貴子さんとこれから解決すべき問題点を洗い出していく。その2回目。(前回から読む)

50歳が平均寿命だった時代があった

今の日本の社会保障費の内訳は、どうなっているのでしょうか。

森田朗(以下、森田):給付の総額がまもなく120兆円に達するでしょう。そのうち60兆、2分の1が年金ですね。3分の1の40兆が医療、そして、残りの6分の1が介護や児童手当などにあてられます。

膳場貴子(以下、膳場):改めて聞くとすごい金額です。それが毎年出ていっているとは。

膳場貴子(ぜんば・たかこ)
ニュースキャスター
1975年、東京都生まれ。97年、東京大学医学部健康科学・看護学科卒。同年、アナウンサーとしてNHKに入局、「おはよう日本」「プロジェクトX」などで活躍後、2006年フリーアナウンサーに。TBSと専属契約を結び、現在「NEWS23」のメーンキャスター。選挙時の特別番組のメーンキャスターも務める。

森田:社会保障費の増加は、医療技術が発達して、長生きされる方が増えたことに関係しています。年をとると体が衰えますから、完全な健康体ではいられなくなる。どこかに病気を抱えて生きることになります。そこで、まず医療費がかさむ。体が不自由になれば介護費用もかかるし、生存されている期間は年金も出ていく。

膳場:そうして、社会保障費の総額が増えるんですね。私の感覚としては、長生きされる方が増えたことで、健康で現役でいられる年数も延びている感じがします。年金や定年についても、これまでと違った人生のスケールを適用していったほうがいいんじゃないかと。

森田:たしかにそうですね。人生のスケールが変わってきたのは、『サザエさん』をイメージするとわかりやすいです。サザエさんの連載が開始したのは、1946年。1947年の時点で男性の平均寿命は50歳。そして、波平さんは54歳に設定されています。

膳場:あら、平均寿命を超えてるんですね。道理で「おじいさん」という感じがするはずです。今の54歳なんて、まだまだ現役ですよね。

森田:そうですよね。私の父の世代の定年は55歳でした。そして、定年になる前に亡くなる方もいらっしゃった。ある国立大学では、昭和の初めごろに定年を60歳と定めたそうですが、国民の平均寿命はそれより若く、したがって多くの方が定年までに亡くなるという計算だったのでしょう。

森田 朗(もりた・あきら)
国立社会保障・人口問題研究所所長
1951年、兵庫県生まれ。76年、東京大学法学部卒。行政学、公共政策の研究者として、東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。東京大学名誉教授、厚生労働省中央社会保険医療協議会会長。

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「「意欲」だけでは地方は救えない」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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