• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ベネズエラとボリビアで米国・中国・日本を考える

2015年1月15日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年末、ベネズエラとボリビアにフィールドワークに行ってまいりました。現地を歩きながら、地元の関係者の話を伺いながら、両国を巡る情勢を考えながら、筆者の頭のなかには常に、本連載のテーマである“米中新時代”と“日本の針路”という2つの相関する要素が浮かんでいました。

 今回は、南米2カ国を回る中で、筆者のアンテナに引っかかった“日米中”にまつわるエピソードを8つ、ご紹介します。頭の体操を兼ねたケーススタディになれば幸いです。

資源ビジネスに携わる中国人

 ベネズエラの首都カラカスは非常に高いインフレ率(国際通貨基金の統計によれば、2013年のインフレ率は56.2%、2014年は10月までで69.9%)&デフォルト寸前の経済状況にあり、治安も悪化している。このため、外国人観光客やビジネスマンをほとんど見なかった。現地の政治・経済・社会事情を色々教えてくれたジョージさんによれば、「以前はエクアドル人、コロンビア人など、多くの人たちが商機を狙ってカラカスに来ていたが、今は、多くの人材が国外に流出している。来るのは中国人くらいだ」という。

 彼曰く、石油関連のビジネスに従事する中国商人が毎日50~100人ほど入国しているらしいが、道端で見かけることはほとんどないとのこと。「彼らには彼ら独自のコミュニティーがあり、決して外には出てこない」(ジョージさん)。

 海抜3600メートルの高地にあるボリビアの首都ラパス市内では、ポツポツと中華料理屋を見つけた。“上海”や“香港”といった看板を掲げている。中国人がオーナーで、中国人シェフが腕をふるっていた。味もなかなか。現地で道案内してくれたニルコさんによれば、「中国人はたくさんいる。数十年前からこの地に移り住み、レストランを経営したり、資源関連のビジネスに従事したりしている」。1960~70年代の文化大革命時代に移民してきた人が少なくないようだ。ニルコさんは観光学と英語を専門にしていて、ボリビア事情を色々教えてくれた。

米ドルの人気は絶大

 ベネズエラ政府は現地通貨ボリバル・フエルテと米ドルのレートを6.3:1に固定している。だが、市場価値に近いと想定される闇レートは173:1(2014年12月23日時点)であった。ボリバルの価値が紙くず同然に見えるほどに下がっているのだ。人々は筆者のような海外旅行者から米ドルを受け取り、米ドルで貯蓄することに躍起になっていた。

 ベネズエラ人は(制度・ルールなのか暗黙の了解かは分からなかったが)ボリバルを米ドルに変換することが許されていないようで、旅行者がほとんどいない今、米ドルを獲得することは至難の業のようだった。

 筆者は世界中のいろいろなところに足を運んでいるが、カラカスほど治安が悪い都市はなかった。常に身の危険を感じていた。道端で怯えながら、「観光に来る場所ではないな」と心底思った。

 カラカスとは打って変わって、観光客が多いラパスでは、街のそこら中に換金所が設置されていた。後述するが、初の先住民出身大統領であるモラレス氏があからさまな“反米”路線を掲げているにもかかわらず、現地では米ドルが人気だった。ホテルやレストランによっては米ドルで支払いを済ませられる場所もある。道端のATMでは現地通貨のボリビアノ以外に、米ドルも直接引き出すことができた。

 近年、左傾化・反米路線が1つの趨勢になっている中南米でも米ドルの浸透力と信用力は健在であった。ベネズエラしかり。ボリビアしかり。

 2014年4月、初めてキューバを訪れた。米国とは国交がないため、ボストン在住だった筆者はカナダのトロント経由で飛んだ。さすがに米ドルは使えないだろうと想定し、カナダドルと人民元を用意して行ったが、予想に反し、現地の人々が欲しがったのは米ドルであった。人民元に対しては「その通貨は何だ?」という反応であった。

コメント0

「米中新時代と日本の針路」のバックナンバー

一覧

「ベネズエラとボリビアで米国・中国・日本を考える」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

子会社とどう向き合うかで、その企業のガバナンスを判断できる。

牛島 信 弁護士